世界中の誰よりも君が好き (ページ3)

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その瞬間、私の周りだけ時間が止まったような感覚に包まれた。そして私の目線はその人に釘付けになった。
この人に落ちた。
そう感じた。

「今週のジャンプ土曜発売って忘れててよー、まじで焦ったぜ…ってあらら、お姉さーん。生きてますー？」
目の前にひらひらと手をかざされて、ようやく私は我に返った。
「あ、もう大丈夫です…。失礼しました。」
軽く2人に一礼し、顔が赤くなっているのが悟られないように急いでその場を去った。

顔が熱い。今どんな顔してるかな。
目の前に手があった時はびっくりした…。
…どこの人なんだろう。また会えたらいいな…。

その頃、2人の男はぽつんと立ちつくしていた。
「なんだったんですかねえ、あの人。悪い人じゃないみたいでしたけど。」
「知らねえよ。…けどちょっと可愛かったな。連絡先聞いとけば良かった。」
「やめてください、恥ずかしい。」
ふう、と小さくため息をつくその人の名は志村新八。
「おいおい、万事屋の主にむかってなんて口聞いてんだ」
新八よりも10センチ程度背が高い銀髪頭の男が坂田銀時。どちらも万事屋、という何でも屋で働いている。

……どこの人か知らねえってのに、なんでまた会いたくなるんだよ。

Aの恋はここから始まった。

夕方、ようやく買い物を終えて帰ってきたAは昼にあったその人、坂田銀時のことを考えていた。
もう一度会いたい。「銀さん」に…。一体どうすれば…
「ただいまー、どうした？そんな悩んだ顔して」
気がつくともう兄が帰ってきていた。
…もしかしたら、兄さんなら知っているかもしれない。
私の兄さんは情報屋を営んでいた。
「兄さん、銀さんって呼ばれてる人知らない？」
「銀さん…？ああ、もしかして坂田銀時のこと？知ってるよ」
やっぱり！情報屋の兄をもっててよかった！兄さん神！
「どこで知りあった？か知らないけど、会いたいなら今度その人に用があるから一緒に行く？」
「行く！絶対行く！」
ああ、こんなに早く再会できるとは思わなかった。
一目惚れの私の恋。
少しでもその人の記憶に残りたい。