あなたも左利きですか？【入間銃兎】

やっと自己紹介 ページ8

《銃兎side》





銃「味噌ラーメンをお願いします」


『私は担々麺の激辛で』


銃「……でた……」





店に着いて注文をすると、案の定彼女は辛いラーメンを即決していた


相変わらずの味覚バカっぷり、ぶれねぇな





『そういえば、月曜と木曜以外でお兄さんと会うの初めてですね』


銃「ああ、確かに。しかも立ち食いそばではなくラーメン屋ですし」


『なんか不思議な感じしますねー』





そう、今日は水曜日


本当はいつも会う日ではない


でも今こうして2人でラーメンを食べに来ている


新鮮といえば新鮮だ





『…あ。さっき補導がどうとか言ってましたけど、お兄さんの職業ってもしかして───』


銃「ええ、警察官です」


『やっぱり！じゃあ警察手帳とか持ってたりするんですか？』


銃「持ってますけど…」


『見たいです！！』





キラキラした期待の眼差しでこっちを見るもんだから、しぶしぶ胸ポケットから警察手帳を取り出し彼女に渡した


彼女は壊れ物でも扱うみたいにそっと受け取って、中身をまじまじと眺めると

ふと顔を上げた





『【入間銃兎】…、これお兄さんの名前ですか！？』


銃「…ああ、確かにまだ名乗っていませんでしたね。入間銃兎といいます、どうぞ宜しく」


『あっ、じゃあ私も！宇佐美Aです。改めて、よろしくお願いします』


銃「散々会っておいて、今更自己紹介っていうのも…」


『あはは！なんかおかしいですね！』





2人して顔を見合わせ、くすくす笑う



出逢って1ヶ月してからやっとお互いの名前を知るなんて






まあそれはそれで






俺達らしくていいかもしれない

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