あなたも左利きですか？【入間銃兎】

暗い夜道 ページ6

《Aside》


午前2時


バイトの夜勤がようやく終わって、真っ暗な道を1人帰る


昼間は結構人通りが多いのに、やっぱりこの時間帯になると全く人がいない



私、夜が好きなんだよね〜


静かですごい落ちつく



これでしっとりとしたバラードとか聴いたら最高だな と思って、イヤフォンをして音楽を流す


誰もいないし、鼻歌とか歌っても大丈夫だよね？





『♪〜♪〜〜♪〜♪』


？「あの、すみません」


『ひ、ひゃあああああ！？！？』





急に肩を叩かれて慌てて後ろを振り向くと、


私より30cmくらい大きい人が立っていた


しかも周りが暗くて顔がよく見えなかったから、さらに怖い


不審者？通り魔？ストーカー？





『ごごごごめんなさい！！お金あげますから、どうか命だけは助けてくださいーーーー！！』


？「はあ？さっきから何言って………あ、貴女はもしかして……」


『……え？………あ。お兄さん、ですか？』





よく見るとそこにいたのは、不審者でも通り魔でもストーカーでもなく


お蕎麦屋さんで毎回会う、あのお兄さんだった





銃「こんな時間に未成年者が歩いているから補導しようと思ったら…。鼻歌なんか歌って何してるんですか、貴女は」


『み、未成年じゃないですよこう見えても！……てゆうか、鼻歌聞いてたんですね…』


銃「…で、何してたんですか、今何時か分かってます？」


『バイトの夜勤帰りです。今日はちょっと遅くなっちゃって…』





なんだろう


いつものお兄さんじゃないみたい



目つきが厳しいし、声音が少し低い


怒ってるみたいで、怖い





銃「……すみません、怖がらせてしまいました？」


『え…と、正直言うとちょっと怖いです…。
なんか、いつもの感じじゃないから』


銃「あー…、それは失礼。そんなに怯えなくても大丈夫ですよ」





やっと優しく微笑んでくれて


少しだけ安心した

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