私を、誘拐してください【ヒプマイ】

じゃあね ページ40

《一郎side》


翌朝───


Aを見送るために中央区の前まで4人で向かった

すでに門にはAの母親が待っていて、俺達を見て深々とお辞儀をした





一「…俺達が行けるのはここまでだな」


三「そうですね。……って二郎、お前いつまでそんな顔してんだよ」


二「……」


『二郎くん、大丈夫？お腹痛いの？』






二郎は、ここに来るまでずっと塞ぎ込んでいる

無理もないか、あいつが1番Aと一緒にいることが多かったからな


すると、黙り込んでいた二郎がぽつぽつと喋りだした





二「…俺、俺さ。Aのこと本当の妹みたいに思ってたよ。同い年なのに、不思議だよな…。
短い間だったけど、お前と一緒にいられてすげー楽しかった」


『うん』


二「中央区に行っても、また会いに来てくれよ」


『うん、絶対また会いにいく』


三「僕とまたチェスしましょうね」


『うん、次は負けない』


一「遊園地、4人で行こうぜ。約束な」


『行く。約束ね』




小指を出して4人で指切りげんまんをする


しっかりと約束を確かめ合って








『それじゃあ、行くね』


三「どうかお元気で！」


二「か、風邪引くなよっ！！」


三「おい！僕と言うことが被ってるんだよ！！他にもっとあるだろ！？」


二「あぁ！？いちいちうっせーんだよ、お前は！！」





やれやれ、ここに来てまで喧嘩か…

仲良しだな、2人とも

あいつららしいといえばそうかもな






一「Aーーーーーーーー！！！！」


『？』





ありったけの声を出して


俺はAに最後の質問をした









．









．









一「お前、今、幸せかーーーーーーーー！？」









．









『うんっ！！すっごい幸せだよーーーー！！！！』









．









ああ、やっと








お前の満開の笑顔が見られたな

＊最後に→←終止符

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す