私を、誘拐してください【ヒプマイ】

俺達の家族 ページ27

《一郎side》


乱数から連絡をもらい、慌てて事務所に駆けつける





一「はぁ…はぁ…A！！」


乱「わーい、一郎だ！！おっひさ〜」





するとそこにいたのは、乱数だけだった





一「あ、あれ？Aは？」


乱「Aちゃんこっちにいるよ！しずかーに来てみて」


一「？」





とりあえず声を潜めてそっと別の部屋を覗くと、

ソファーにもたれてスヤスヤ眠っているAがいた





乱「ここに来てちょっとしたら寝ちゃったんだ。きっと疲れちゃったのかもね」


一「悪いな、乱数。迷惑かけちまって」


乱「だいじょぶだいじょぶ！…あ、それで結局あの子は一郎のなんなの？」


一「そう、だな。あいつは俺の……いや、俺達の









．









家族だ」









．









．









『ん………。いち、ろうくん？』


一「お、起きたか」





帰り道、Aを背負って歩いている途中でAが目を覚ました

まだ眠いのか、目がしょぼしょぼしている





一「寝てていいぞ？」


『…ううん、起きて歩く。一郎くん、ずっとおんぶしてたら疲れちゃう』


一「ははっ！お前は軽いから全然疲れねーよ。
今日はごめんな。俺がちゃんと見ていれば迷子にならなかったのに」


『私も、ごめん。次お出かけするときは……ぜったい…に……』


一「A？」





ふと後ろを見ると、Aが前を見て目を見開いていた

それと同時にみるみる顔がこわばっていく


不思議に思って俺も前を見ると、1人の男が立っていた









．









「A……。やっと、見つけた」

最悪の出会い→←情報網

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す