かわいい × かわいい ページ18
．
大吾side
A「あちゅーーーーっ！」
稽古場にいる篤志を見つけるやいなや、
ダッシュで突っ込みに行くAさん。
篤志は驚きのあまり動けずにおるし。
そしてAはスライディング膝立ちで
篤志に抱きついた。
ちょっと遠くにいる丈くんが
｢１歩間違えたら犯罪やからな！｣ って
言っとるけど･･･、多分あの様子じゃ
お嬢様の耳には届いていないことでしょう。
篤志を愛でたいのはわたくし西畑もなので
そっと２人に近づく。
はあ、かわいい × かわいいは天才的ですね。
A「あちゅさ、」
抱きしめるのをやめて肩に手を置いたAは
いつになく真剣な表情で、
篤志もキリッとした顔になった。
A「恋人、私じゃだめ？」
大吾「は、」
いきなり何を言うとんねん、この子は！
ほら見てみ！篤志の顔が真っ赤やで！？
とりあえずAから篤志を引き離して保護をする。
A「あ、ちょ、だいちゃん！邪魔せんといて！」
大吾「だめです！犯罪です！篤志がかわいそう！」
A「え、あちゅ嫌なん、？」
眉を八の字にして篤志に問いかける。
篤志「嫌、やないですけど･･･Aちゃんには大吾くんがおるから、」
しどろもどろに篤志が言う。
さすがやわ、よくわかっていらっしゃる。
大正解よ、もうそれは。
大吾「篤志はよーわかっとるなぁ」
頭をわしゃわしゃと撫でてあげれば
篤志は嬉しそうに笑った。
それとは反対に、正面にいるAはいじけてて
｢翔真はどう思う？｣ と、言った。
突然話を振られて驚く翔真は
少し考えてから口を開いた。
翔真「僕は･･･正門くんかと思ってました」
大吾「翔真、それは不正解やねん。正解は西畑大吾やで」
キメ顔でそう伝えると
困ったように笑われてしまったけど、
そこは譲れんからな。
A「どっちもちゃうけど、どちらかといえばもんくんやな」
翔真の頭を撫でて笑うAを見たら、
今この場にはおらん正門にとにかくむかついた。
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作者名：まる。 | 作成日時：2020年5月10日 23時
