ふっかさん、ネコちゃん拾いました

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『ぽかぽかになりました、お風呂も洋服もありがとうございます。辰哉くん』




ソファーでくつろいでいると声をかけられて
とりあえず返事だけする。




深澤「いえいえ〜、･･･え、今なんて言った？」




驚いて振り向くとそこには
髪の毛は濡れたままぶかぶかのスウェットを着て、
湯気が出るんじゃないかってくらい
ほっぺたを赤くした彼女が立っていた。




『？、ぽかぽかになりました、お風呂も洋服もありがとうございます』




深澤「それじゃなくてそのあと」




『辰哉くん、？』




いや、普段辰哉くんなんて呼ばれないからさ
一瞬固まっちゃったよね。




『辰哉くんって呼び方も嫌でした？』




深澤「あ、いや、慣れないだけ。まぁ、今日だけだしいっか」




“今日だけ” って、自分で言ったくせに
なんかちょっと寂しく思ってしまった。



、なんて気のせいだよね。




深澤「君は？名前なんて言うの？」




『別に今日だけだしいいんじゃないですか？言わなくても』

多分、俺が“今日だけ” って言ったから
拗ねてるのかな？口がとんがってる。

本人は気づいてないみたいだけど。




深澤「言ってくれるね〜、じゃあネコちゃんでいっか」




『なんでネコ？』




深澤「なんかネコみたいだからさ」




そう言っても理解できないのか首を傾げている。




深澤｢ほら、ネコちゃんおいで。髪の毛乾かさないと風邪ひくよ｣




そう言うとパァっ、と、目を輝かせてすっ飛んできた。




『辰哉くんが乾かしてくれるんですか？うれしい！』




｢ほら、ネコみたいじゃん｣ と、笑うと
ネコちゃんは｢にゃー｣ と、
小さくネコのマネをした。



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