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何度か背中をさすられて落ち着いて来た時、私の気を紛らわそうとしてくれたのか師範が口を開いた。
「双葉は体温が低いな、こんなに暑いのに手が冷たい」
「師範はあったかいですね、子供みたい」
「……子供じゃないぞ、俺は」
耳元で囁かれた、思わず反射的に師範の顔を覗き込むと、鼻と鼻が擦れ、視線が絡みつく。
凛として、闘志の宿った赤くて綺麗な瞳に思わず吸い込まれて離せなくなる。
「しは、」
からん、と麦茶の氷が溶ける音が聞こえた。師範に頭を押され、無抵抗のままに唇が触れる。
「……俺の体温で双葉の体温を溶かしてやりたいとすら思う」
「こんな風にな」と身体を離して距離をとった師範の羽織を思わず掴んだ、頭が働かないままに、
「しは、い、いま、口、口が」
「……口吸いしたが、嫌だったか?」
「いや、あの、いやとか、あの、えっ!?え!?!?」
「ははっ、涙の味がするな!」
「はっ、はひっ!?」
含みのある笑みを浮かべて師範は自分の唇をなぞった。
「な、なんで、な、なんで口吸い!?」
「双葉のことが好きで堪らなかったからつい身体が動いてしまった」
「好き!?堪らない!?」
「そうだが?」
あれ、口吸いって恋人とかそういう人とやる物じゃないんだっけ?師範
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透水 - え…物凄く好きなのですが、もう更新はされないのでしょうか? (7月24日 19時) (レス) @page28 id: e8fae7b723 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 面白かったです!もぅ、頬が緩みすぎて大変でした!更新待ってます!頑張ってください! (2021年10月30日 11時) (レス) @page28 id: 6b19049b00 (このIDを非表示/違反報告)
みみ - すごく面白くて一気に読んでしまいました!お忙しいとは思いますが、続きがとっても気になるので更新待ってます!! (2021年6月22日 22時) (レス) id: ab54e64a65 (このIDを非表示/違反報告)
みっちゃん(プロフ) - とても面白いです!一気に読んでしまいました。これで完結なのでしょうか?今後の展開も気になるものです(*´・v・`) (2021年2月14日 2時) (レス) id: e5ea1593cf (このIDを非表示/違反報告)
柑橘蛍(プロフ) - 続きが楽しみです!更新頑張ってください! (2021年1月30日 17時) (レス) id: c6603d0c65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:玄米茶 | 作成日時:2020年10月29日 21時