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甘露寺の言葉が頭に鈍器で殴られたような感覚を覚える。


双葉が?双葉が、俺の知らない男と手を繋いで、抱擁をして、そして婚儀を交わすかもしれない。


少し考えただけで、顔も知らないその男に、自分でも感じたことの無い底抜けたドロドロとした憎悪が芽生えた。胸が痛くて痛くて張り裂けてしまいそうな、そんな感覚。


「嫌だな、それは」


素直な気持ちだった。正確に言えば嫌だの一言では済まないが。


そう言うと、甘露寺は少しため息をついてこちらを見る。


「師範、人はそれを恋心と呼ぶんですよ」
「こいごころ」


なぜ、今の今まで恋という単語に無頓着だったのだろうか。


甘露寺にそう言われてふつふつと身体が火照るような気がした、双葉の涙を拭ってやるのは、俺の役目だと、俺以外やることがないと思っていたのはとんだ独占欲だったらしい。


「げ、師範」
「Aちゃん!」


またサボりついでに千寿郎から貰ったのであろうお菓子を頬張りながら、焦ったような顔をうかべた双葉を見て、いつも以上にたまらなく愛おしくなってしまって、思わず声が漏れた。


「双葉!!」
「え!あ、はい!」
「お前が好きだ!」


「え、あ!あ!はい!ありがとうございます!」


キラキラ輝いて、眩しくて、熱くて、けど、腕に収めていたい、心臓が破裂しそうなほど苦しくて、うるさくて、けどなんだかこの感情の名前を知れてしっくりした気がする。


「私も師範のこと好きですよ!いつも私の事面倒見てくれるし、逃げても追いかけてくれるし、人として尊敬しています!」


……だが、なんだか恋仲になるには程遠い気がしてならない。

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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃   
作品ジャンル:アニメ
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透水 - え…物凄く好きなのですが、もう更新はされないのでしょうか? (7月24日 19時) (レス) @page28 id: e8fae7b723 (このIDを非表示/違反報告)
- 面白かったです!もぅ、頬が緩みすぎて大変でした!更新待ってます!頑張ってください! (2021年10月30日 11時) (レス) @page28 id: 6b19049b00 (このIDを非表示/違反報告)
みみ - すごく面白くて一気に読んでしまいました!お忙しいとは思いますが、続きがとっても気になるので更新待ってます!! (2021年6月22日 22時) (レス) id: ab54e64a65 (このIDを非表示/違反報告)
みっちゃん(プロフ) - とても面白いです!一気に読んでしまいました。これで完結なのでしょうか?今後の展開も気になるものです(*´・v・`) (2021年2月14日 2時) (レス) id: e5ea1593cf (このIDを非表示/違反報告)
柑橘蛍(プロフ) - 続きが楽しみです!更新頑張ってください! (2021年1月30日 17時) (レス) id: c6603d0c65 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:玄米茶 | 作成日時:2020年10月29日 21時

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