white devil ｰ白衣の悪魔ｰ

◇ ページ13

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補修で半分が潰れた残り少ない夏休み期間に、海へもプールにも行かず。

ボーッと過ごしては、頭の中で名前も知らないあの人が微笑んだ。


部屋に籠って一人にやにや。

その画は相当気持ち悪かったはず。


暑さにやられておかしくなったか、と軽く笑い飛ばして放っておいてくれる家族で助かった。



大「明日から二学期…………ほんとに、わかんのかな」



小、中と名残惜しかった夏の終わり。

それが今年はカレンダーとにらめっこして、9月初めを迎えた。



＿＿＿＿＿




「…………いつ終わんだよ」


「だりぃよな」



始業式、永遠に終わりの見えない校長の話。


立って聞かされている身にもなってくれ。

真剣に耳を傾けている生徒は半分以下だろう。



大「ふぁあ………」



俺はだんだん子守唄に聞こえてきたよ。

あくびも噛み殺すこと無く、目蓋も閉じかける。



「身を引き締めて、今学期に挑んでください」



……………あ、終わった。

前に並んでいる奴らも急に背筋を伸ばしはじめて。


ようやく、式も終わる…………



「ここで、新任の先生を紹介したいと思います」



…………終わんねぇのかよっ！！


えー、新任って…………こんな時期にそんなのある？

回りも伸ばした背筋が再びだらけ始めた。



大「、っ！？！」



……………その人が、壇上へ上がるまでは。



「前任の田中先生が家庭の事情により退職されました」



そう紹介されて。

白衣を身に纏った…………あの、天使がいたんだ。



涼「前任の田中先生より引き継ぎました。養護教諭の山田涼介です」



「「「………ッ……」」」



一斉に唾を飲み込む音が体育館に轟いた。


やっぱり、貴方は天使だったんだ。

ほら“白衣の天使”ってよく言うじゃん。



涼「よろしくお願いします。………ぁ、ふふっ」


大「！っ、」



今、目があった…………気のせい？

俺をみて、笑ったよね？

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