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その日からショッピ先輩が皮肉を言いながらも私と一緒に居てくれる事が多くなった。嬉しいのだが、私の友達であるスキンシップが比較的多いシャオロンくんやゾムくんが隣に居ると不機嫌になる。
まあでも、こんな感じだが一緒に居るうちに段々と不器用な一面がある事に気付いた時には魔界に居るタイムリミットが迫っていたのだ。急にサリバンさんから、「人間界に帰る儀式が整ったから、1週間後に戻って来てくれないか」とス魔ホのメッセージを戴いた。
半年近く掛かったのは、最低でも私を人間界に帰すのに一ヶ月程度かかるという事、大掛かりな魔術を大多数の人間に掛ける。つまり、私が失踪した半年間の辻褄を合わすのだ。
サリバンさんから先生方には既に伝えられ、帰る一日前。生徒達には私が人間だとバレない様にと、帰る事は伏せられていたので最後の日もいつも通りに過ごしていたのだが、ショッピ先輩から、「師団に1人で来て下さい。渡したいものがあるんです」とメッセージが来た。
何だろうと思いながらのこのこと行ってしまったのが間違いだったのだろう。扉を開けた瞬間に鋭い痛みが耳から脳へと揺れ動く。つまりは急な耳鳴りに蹲ると、「大丈夫ですか？」と上からショッピ先輩の声が聞こえてくる。
「ねえ、Aさん。貴女、人間だったんですね」
『っ、え？何で知って……』
「ふふ、誤魔化せばええものを正直に認めるんですね。何で知ってるかって、野暮な事では？俺の家系能力、魔具操作って事忘れてたでしょ？Aさんのス魔ホをハッキングしてたんですけど、真逆理事長と帰る連絡なんかしてるとは思わなくて驚きですよ」
『じゃあそもそも私のことをネットストーカーしてたって事ですか？』
「ネトストなんて人聞きの悪い。愛って言って下さいよ。直ぐに何処かに行ってしまうAさんの為にGPSとハッキング、盗聴しただけですよ。ほら、Aさんは1年ですし。変な悪魔に誘惑されたらと思うと気が気じゃなかったんです。ねえ、逃げないで下さいよ、大好きです」
いつもは全然こんなに切羽詰まった話し方では無いのに、今回は私に対して詰め寄ってくる。それが怖くて一歩、二歩と下がり、我々師団から廊下に出る扉のドアノブに手を伸ばすと凄く強い電気が私に流れた。
『っ、いた……』
「残念、アンタの魔力じゃ逃げ切れませんよ」
そういえば……もしかして、悪周期っていうやつ？
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作者名：!! | 作成日時：2023年5月28日 12時
