借金下僕と宇髄探偵、謎を解く【鬼滅の刃】

マモン ページ12

「善逸は？まだ寝てんのか？依頼来てんだけど」

「慈悲ってものはないのか・・・」


流石に可哀想だと訴えると未だに痛いとお腹を擦ったままの宇髄さんは「じゃあお前が着いてこい」と言ってきた。でも善逸が必要ってことは耳がいるんじゃないのだろうか。


「耳が必要な依頼なんですか？」

「まあな。資産家の遺産が入った金庫だよ。開けてくれってのが依頼。一応遺書があるらしいけどそこに暗証番号が書いてないんだと。そんでその資産家の娘2人と嫁がどうしても開けてくれってな」

「へぇ、資産家の・・・今頃娘さんたち喧嘩になってないといいですね」


そう言ってからどれくらいたっただろう。資産家の家に着いて驚いた。率直に言うと「なってました。」


「お母様、料理も洗濯も掃除もぜーんぶお手伝いさんに任せてたじゃない！仕事もしてなかったし！お父様がお母様に遺産を遺しているなんて到底思えないわ！！！」

「そういう貴女たちだってあの方に甘えた声出して！いつも高価なものを買って貰っていたじゃない！？もう貴女たちにつぎ込むお金なんてないわよ！！」

「私はお姉さまと違ってそんなことないわ！！それに2人とも都合の良いときしかお父様に話しかけなかったじゃない！！」


ええっと顔をひきつらせていると宇髄さんが肩をツンツンと触ってきた。何だろうと見返すと、私をすこし見て、それから騒動の方を顎で示した。・・・行けってことか。


「はぁ・・・、ちょっと落ち着いてください！！！」

「「「部外者は黙っていて頂戴！！！」」」


思わずひえっと小さく声が出た。
・・・とても仲がよろしいんですね。

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