愛 の 運命 。4

Destiny 163 ページ19

『 ねえ廉〜〜
これとこれだったらどっちがいい？ 』


廉「 どっちも一緒やろ 」


『 はあ？ピンクとネイビーの
どこが一緒なんですか！色彩能力ある！？ 』





今日は結婚式のためにドレスを買いに来たのだが、

さっきからいろんなドレスで悩む私に
ご機嫌斜めな廉。





廉「 だああもう！
全部似合ってるお前が悪い！ 」


『 んなっ！それ褒めてんの？貶してんの？ 』


廉「 褒めてんの！ 」



喧嘩のトーンでいつの間にか惚気始める私達に
店員さんも苦笑いである。





『 もう黙ってて！！ 』


ぴしゃりと試着室のカーテンを閉めて
中に閉じこもると、
じわじわとこみ上げてきた嬉しさ。


ドレスをぎゅうっと握りしめて
その幸せな感情を噛み締める。





廉「 なあ、まだー？ 」


『 ちょっと待って！ 』


廉「 何しとん？開けるで？ 」


『 あーーちょっと待…… 』


私の返事も聞かないまま、
ひょこっと試着室を覗き込んでくる廉。





廉「 チャック、届かんのやろ？ 」


してやったり、みたいな顔で
ニヤニヤしてる廉。ちょっとムカつくけど。





廉「 じっとしててな 」


そう言って優しくチャックを上げてくれるから
何も言えない。





廉「 出来た！ 」


『 ありがとう！ 』



それから3秒ぐらい間が空いて、
消え入りそうな声で廉が呟いた。






廉「 ……可愛いやん 」


『 え？ 』


廉「 もう2度と言わん！！！ 」


『 あ、ちょっと、廉ー！！ 』



ぴしゃりとカーテンを閉められて
取り残されてしまった。






:

:








廉「 ドレス、ネイビーにしろ 」


『 え、でもさっきピンク可愛いって…… 』


廉「 ピンクはあかん！ 」

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