愛の運命。 (ページ29)

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Destiny 29 ページ29

佐藤くんが転入してから1ヶ月が経ち、

相変わらず喧嘩は絶えないものの
最近はほとんど4人で過ごすようになった。

七瀬曰く、佐藤くんは学年1カッコいいらしいが
クラスでも佐藤派と永瀬派に分かれるぐらい
モテモテだった。

でも、私は学年1佐藤くんが嫌いだった。

だって________

勝「ほんとに廉のこと好きだね」

『は！？何言ってんの！？』

七瀬しか知らない私の弱みを握っているから。

とにかく暇があれば私に構ってくるから
女子からの冷たい視線が毎日絶えないし、

何より大きな理由は
最近あまり廉と話せなくなってしまったから。

せっかく仲直りできたのに。

勝「だからバレバレなんだって笑」

後ろの席をいいことに
髪の毛を引っ張ってきたり。

授業中にはいきなり背中を突いてきたり。

クールな見た目とは裏腹に
小学生並みにやんちゃな男子だったのだ。

・

・

『あ゛ーやだ！！
ほんとに佐藤くんやだ！！』

七「いいなーAばっかり仲良くなってさ」

体育の授業、
男子がバスケの試合をする中

七瀬に愚痴をこぼすものの
恋のフィルターにかかってしまった七瀬には
何も通じないらしい。

『あんな奴のどこがいいのさ』

七「えー、かっこいいし優しいし紳士だし
クールだし笑顔は可愛いし
いいとこだらけやん！！」

目を輝かせて言う七瀬の言葉に
思い当たる節は１つもない。

あんな奴、ただの小学生だよ。

ふと、バスケの試合に目をやると
佐藤くんと廉がボールを取り合ってて
それを見て女子達が黄色い歓声を上げる。

『廉が、いいよ …… 』

そう呟いたのとほぼ同時に
廉がシュートを決めてまた女子達が叫ぶ。

嬉しそうに笑ってガッツポーズをする廉を見て
胸がキューって締め付けられた。