愛の運命。 (ページ24)

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Destiny 24 ページ24

『冷たっ！』

頬に冷たいラムネが当たって思わず見上げると、
ニコッと微笑んでる廉、確信犯だ。

無言でラムネを受け取ったら
廉も無言で私の横に腰を下ろした。

廉「ここ、ほんま特等席やな」

廉はラムネを一口飲んでそう呟いた。

ここは毎年私達が花火を見る場所で
人もあまり来ないし空を遮るものがないから
本当に綺麗に見える。

『私達の秘密だかんね』

廉「誰にも言わんわ笑」

2人でそんな話をして笑い合っていたら
1発目の花火が私達を包み込んだ。

『わぁ綺麗……. 』

幾重にも重なり色鮮やかに見える花火に
没頭していたら、
いきなり廉が言葉を発した。

廉「なぁ」

『ん？』

廉「来年も一緒に来よな、絶対」

『え、どしたの急に』

花火の光と夜の闇で
ちょうど影になっていた廉の表情は
見えなかったけど、

声だけで廉の真剣さが伝わる。

廉「いや、その、だから……

彼氏作んなよ………って意味や！」

何で。何で廉がそんなこと言うの。
分かんない。分かんないよ。

それはとても残酷で
私にとっては難しい言葉だった。

( なら、廉が彼氏になってよ。 )

喉まで出かかった言葉をなんとか堪えて
私は冗談を返した。

『え～何～？ヤキモチ妬いてんの？』

廉「ち！ちゃうわ！アホか！
誰がお前に嫉妬なんかすんねん！」

『はいはい、
てか、廉こそ彼女作んないでよね』

廉「俺は彼女なんて作る気ないから」

『そ、そっか』

安心した反面、
私は幼馴染だから
こんなに近くにいれるんだ、って
改めて実感した。

廉は私を幼馴染として好きで
それ以上でもそれ以下でもない。

もし、違う出会い方をしていたら……
私は君の視界にも入れなかったかな？

だからこの関係を壊すのが怖くて
言えないんだ、たった2文字の言葉が。