愛の運命。 (ページ17)

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Destiny 17 ページ17

『なんか飲み物買ってくんね』

廉のおでこに冷やしたタオルを載せて
離れようとした瞬間、

『へ、』

気づいたら廉の胸の中にいた。

正確には、廉が私を
ベッドに引きずり込んだ、と言うのだろうか。

廉「行くな、」

少し冷えたおでこが
私の首のところに当たってひんやり感じる。

『ちょっ、なに(笑)
冗談やめてよ …… 』

何とか抜け出そうと抵抗したその時______

康「湿布く～ださい」

誰かが保健室に入ってきて
思わず廉の胸の中で声を押し殺す。

康「って先生おらんのか～い」

柊「お前も探せや」

康「へ～い」

しばらく2人の会話を聞いていたら
廉がわざとらしく私のお腹に腕を回してきて。

『へっ …… // 』

思わず変な声が出る。

康「え、今なんか声しやんかった？」

案の定、1人の生徒が私の声に気付いて
こっちに近づいてくる。

廉は私を見えないように
ぎゅーっと自分の胸の中に閉じ込めた。

鼓動が伝わりそうなぐらい抱きしめられてる。

柊「気のせいやろ、早よ行くで」

康「え～～～」

すぐそこで聞こえる声は
もう1人の生徒によって遠ざけられた。

康「失礼しました～」

という声と、ガタンと閉まるドアの音を聞いて
私はホッと胸をなでおろした。

……… のも束の間、
くるりと向きを変えられて繋がる視線。

『な、なに』

廉「行くな」

『はっ？廉ほんとに大丈夫？
熱のせいでおかしくなったんじゃない？』

廉「 …… そうかもな、」

『ちょちょちょちょちょ、』
と無理矢理廉の腕をすり抜けてベッドから出る。

『の、飲み物買ってくるから待っててよ！
すぐ戻るから！』

そのまま逃げるようにして保健室を後にした。