ヘンズツウ【菊地原士郎】

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太刀川Aは兄と似ている部分は
戦場で頭が回るところや強いところ。

似ていないところは
どんなことでもだいたいそつなくこなすことだ



「昨日は模擬戦お疲れ様。またAにやられたな」

『三人で来られてたらヤバかったかも』

「当たり前でしょ」

『出水ロイドで蜂の巣にされた士郎おはよ』

「お前本当ウザイね」

「歌川君ちょっと来てー！」「あ、はい先生」


教卓へ向かった歌川。
残される菊地原とA


『次そういえば移動教室だよね士郎』


Aは大体そつなくこなす。
それでいて美少女


「黒板見ればわかるでしょ」


しかしこの日からほんの少しずつ


『はいはい理科ですねー』


弱みを見せることになる


『一緒行く？』

「行かない」

『あっそ』

理科の教科書とノート、筆記用具を
抱えたAは歩き始める


「Aもう行くのか？」

戻ってきた歌川

『うん行く………っ……………』


______バラバラバラッ



教科書は床にぶちまけられた

『……………ぃ……』


聞こえないような声で 痛い という

「珍しいな落とすなんて。」

歌川は落ちた教科書を拾ってAに渡した

「……………」

『滑っちゃった。ありがと遼』


これがはじまりだった


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