【REBORN!】ベルフェゴール成り代わり (ページ7)

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標的７～追いかけっこ～ページ7

引き続き、ラジエルsido

今分かったこと。

あいつ、足速い。
全然、運動してないように見えるけど・・・
絶対してるだろ、あれ。
王子だってそこらのガキとやれば、全然余裕で勝てるし。
けど、あいつはそういうレベルじゃない。

「・・・チィ！！見失ったしッ！！！」

ガシャァンッ！！パリンッ！！

そこらに飾ってある壺を、割る(落とす)。
え？そんなことしちゃいけないって？
・・・だって、俺、王子だし♪
許されるに決まってんじゃんっ！！

オ「・・・ジル様、言ったでしょう、『なんでもできてしまう』と。」
「ししっ・・・でもさ、それとこれはちげぇだろ？
人付き合いが嫌いなら引きこもる位、すりゃあいいのにさぁ。」

そしたら、そしたら俺が、王になれるのに。

オ「・・・ベル様は、お父様に見捨てられたくないのですよ。
ベル様の味方は、お父様しか居ないのですから。」
「親父しか？」
オ「ええ。正直私は、王になるのはベル様でも、ジル様でも、どちらでも良いのです。」
「・・・チッ。」

あいつは、一体どんな奴なのか。
それは分からないまま、一日が終わろうとしていた。

そういえば、最近外出てねぇな。
・・・と、ふと思ったので外に出てみた。

昔から、ここだけは変わらない。
いつもと同じ、執事達が切りそろえている芝生。
絵に描いたように染まる緑色。

そこにいつもと違う者があった。

・・・ベルだった。

何をしているのだろうか。
ここからは見えない。

ベルが、突然泣き出した。
・・・花束を抱えて。
その花束の花は、赤色の『アネモネ』だった。

ベ「・・・お姉ちゃん。」

ベルが何か言った。

『お姉ちゃん』？

聞き間違いか、そんな言葉が聞こえた気がした。

俺とあいつ以外に、母さんと親父の間に子供はいない・・・はず、だ。
・・・？じゃあ、『お姉ちゃん』とは誰だ？

ベ「・・・ごめんね、僕だけが生き残っちゃって。
お母さんと仲良くやってる？
はぐれてないよね。
・・・僕は。」

また、ベルが泣き出した。
『お姉ちゃん』？誰のことだ？

『お姉ちゃん』という単語が頭の中でグルグルと回る。

ベ「・・・僕は、ここにいるよ。この世界で、元気で生きてるよ。」

そう言って、あいつは微笑んだ。

生まれて初めて見た、あいつの笑顔だった。