文豪×猫 ページ18
ある日のこと。
「……モトジロウ……その猫ちゃん、どうしたの……?」
「拾った」
モトジロウが猫を拾ってきました。
「みゃう」
「かわいい……」
「だろ?」
白くてふわもこ。ちいちゃい猫ちゃん。
きらきらしたおめめで此方を見つめてくる。
「この子……飼うの……?」
「うーん、どうしよっかな」
モトジロウは書類やら模造紙やらが乱雑に散らばって(モトジロウにとっては整頓されているらしい)部屋を眺め、この中で飼うのは無理があるね、と云った。
「……捨てちゃうの?」
「捨てる?とんでもない!マフィアの狗ならぬ、マフィアの猫として飼うのはどうか……と首領に提案してみたらどうだろう」
「だれが……?」
「君が」
そうきたか。
確かに、ボスは可愛い子に弱いという格言があるくらいだし(そんなものは無い)、私が頼めば何とかなる……かな?
「それは冗談として、猫可愛いよ猫」
「其れは否定しない……モトジロウって、猫派なんだ……」
「そうさ!猫は良いよ、檸檬には劣るけど。……生物と非生物を比較するの自体間違ってると思うけど。それはそれとして、猫というやつらはふわふわでそのくせ耳の辺りは毛がなくて、その辺が面白いんだな。」
白猫を抱きかかえたモトジロウはニマニマしながら、猫の耳をつまんでいた。
「あのさ、『切符切り』って知ってる?……横浜じゃもう見ないかな、ほら、駅で切符渡して駅員さんにパチンってやってもらうアレ。あれで猫の耳をパチンと一思いにやってみたら……凄く面白そうじゃないか?」
「全然面白くない」
モトジロウは時々残酷なことを平気で云う。
マフィアとか指名手配犯とかになりながらも、飄々としていられる原因はこの辺だろうか。
「……そっか」
私のきっぱりした返事を聞いた彼は、残念そうに出ていった。
……あ、猫ちゃん触りそびれた。
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13 - メアリーさん(ちゃん?)可愛いです。きゅうーんてするです。かじーさん羨ましいのです。 (2016年10月22日 13時) (レス) id: 47ed984e80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キューブ | 作者ホームページ:
作成日時:2016年9月16日 19時