【文スト】私と貴方の落書き帳【短編集】 (ページ15)

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聖なる夜の、前の夜ページ15

「アナタハサンタヲシンジマスカ？」

「……は？」

モトジロウが突然、妙な口調で聞いてきた。

「……モトジロウは、信じてるの？」

「ふむ、サンタ自体は信じていないが、『神』ならば信じているよ。」

「切支丹……？」

「『神』がかの聖人の御父上なのか、そうでないかは判らないけど、存在してはいると思うよ。」

「結局……なにが云いたいの……？」

「聖人の誕生日を口実にケーキ食ってイチャコラするリア充爆発させたい。」

「ストレート……」

ふと思った。

「モトジロウも……リア充だと思う……」

「何処が？君もジェットや首領のように『檸檬が恋人だ』なんて云うのかい？」

うわ、捻くれ荒みモード炸裂中。

「違う……えと……女の子と同居中って辺り……」

「……成程、一理ある。」

……私、女として見られてない？

「君をあんな穢れたリア充共と同列に並べるなんて相応しくないと思っていたけども、君自身がラブロマンスの主人公でありたいと願うならば、お相手役ぐらいにはなってあげるよ？」

「……ちょい恥ずかしい……」

モトジロウは、何時ものように笑い、私に質問してきた。

「さて、檸檬の花の如く潔白な乙女よ、聖夜に何を受け取ることを望む？」

「言い回しが訳わからん……」

「クリスマスプレゼントの噺。良い子にはサンタさんが枕元にプレゼントを持ってきてくれる。」

「ツリーのしたじゃないの……？」

「場所は何処でも良いと思うけど。」

クリスマスプレゼント、何がいいかな……

「じゃあ……えっと、お洋服が良いな……」

「どんな感じの？」

「リボンとフリルが程よく付いてて……レモンイエロー……そんな感じのワンピースがいいな……」

「よし、判った。準備して……いや、サンタさんに頼んでおくよ。」

今更サンタさんの存在を教え込もうとしなくていいのに。

そう思ったけど、云わないでおくことにした。

～～～～～～

かじーさん的クリスマスデエトは、

・どういう風にすればいいのかさっぱり判って無くて、緊張でガッチガチのまま相手に主導権を握られる。

・とびっきりロマンチックな甘い言葉とプレゼントを用意して、最後の最後で失敗する。

のどっちかだと良い。

個人的に、こういうの好き。