4錠目:『ほろ酔いとロゼワイン』 ページ4
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｢あッ折緒、それ私の日本酒!! しかも珍しいやつ目敏く見つけて飲まないで!!｣
｢冷蔵庫は共同って言ったのお前じゃん｣
｢冷蔵庫は、ね!! 保存するものに所有権はあるんだから!!｣
｢一口残しておくから。あんまり騒ぐと近所迷惑になるぞ｣
そんなことより、と折緒は缶をカウンターに置く。
珍酒を蔑ろにされたAは不服そうな顔をするも、どこか安心した顔をしている。
｢久しぶり、佐曽塚｣
｢んん..? 折、緒..?｣
｢ちょ、めっちゃ眠そうじゃん!! バックヤードにシングルベッドあるから寝てこい、な?｣
｢...うん｣
話したいことがたくさんあるけど、という感情を必死に抑えて折緒は佐曽塚の肩を持ってベッドまで介抱する。
身長の割に華奢で折れてしまいそうな軽い身体が彼の今までの辛さを物語っていた。
｢気が済むまで休んでくれよな｣
｢ありがと、う……｣
二人がこの建物に着く前に、Aに頼まれ焚いていたアロマラベンダーの効果もあり、あっという間に眠りに落ちた佐曽塚の寝顔を確認した。
折緒はふう、と溜息を吐き静かにドアを閉めた。
｢それにしても、とんでもねえ事になったな｣
｢......でも、最悪の事態は防げたから｣
｢ん。チームメイトを救ってくれてありがとな、マネージャー｣
｢『元』だけどね…...｣
折緒が置いていた日本酒を一口飲んだAは、力なくカウンターに伏せた。
｢おま…大丈夫か? いや大丈夫では無えけど｣
｢15分後、に...起こし、て｣
｢あっ、ここで寝るなって!!…ッたくよ〜｣
本来は客に貸し出しする用のタオルケットを取り出し、そっとAに掛ける。
握りしめたままの日本酒缶には、まだ中身が残っているようだった。
何かの拍子に倒してしまう前に、静かに彼女の手からその缶を離す。
仄かに香る桃が、いい匂いだ。
｢ッ呑気に目の前で眠るわ、間接キスはするわ……こいつ何も分かってねえ｣
そう、何も。
腹いせと照れ隠しの感情を流し込むように、残った酒を一気に飲み干した。
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｢ぬ゛ぁっ!? 今何時!?｣
飛び起きたAは周りを見回す。外はほんの僅かに明るくなって来ている。
布張りのカウチソファの端に座り肘をついた折緒は、髪色に合った眼鏡をかけ本を読んでいた。
電気は消され、彼の手元のスタンドライトの電気のみがこの部屋の光源だった。
｢朝の4時、ちゃんとベッドで寝な｣
｢起こしてって言ったじゃ〜〜ん、馬鹿ぁ〜…｣
｢残念、俺は30分刻みで起こしましたー｣
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5錠目:『専売特許剥奪の危機』→←3錠目:『自問自答→横隔膜』
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星猫 - もう一つのｐｃがしました。初めまして！とっても素敵です！高評価しました！ (2021年9月8日 11時) (
レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
棘水(プロフ) - ゆりりんさん» わ〜!! 勢いある挨拶ありがとうございます〜^^ ちまちま更新していきますので気長にお待ち頂けると幸いです (2021年2月2日 1時) (レス) id: f96d68692e (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - まず最初に…好き!!（挨拶）続きが読みたくてたまらないです！ (2021年2月1日 20時) (レス) id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
アインツバル - 棘水さん» 了解です！また何かあったら声掛けますんで、これからも更新頑張って下さい！！ (2019年4月9日 15時) (レス) id: db0b681609 (このIDを非表示/違反報告)
棘水(プロフ) - アインツバルさん» コメントありがとうございます!! が、合作イベント....!!大変魅力的で参加したい気持ちは山々なのですが私生活の多忙や内容が合作内容が全く分からず他の皆様にご迷惑をかける可能性しかないので今回は辞退させて頂きたく思います....また機会がありましたら是非....!! (2019年4月8日 22時) (レス) id: c7cb6e701d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：棘水 | 作成日時：2018年7月20日 13時
