43話 ページ2
「いや、せっかくなったんだから仕事は全うするよ！‥‥‥クラスを纏めるのはもう1人の人にお願いするとして、書類関係とか。雑用とか！」
「‥‥‥俺が同じクラスだったらもっと花形の仕事だけ回してあげるのに。は〜あ、なんで同じ学校来なかったの？」
「‥‥‥本当にそうだよねぇ」
「Aなら俺の成績も抜かせるよ」
「流石にそれは無理だよ」
そんなことを話していると電車が来たから2人で乗った。
亮平くんが乗った途端同じ制服を着た人たちがワッと盛り上がって、後から乗った私を見てスッと盛り下がる。
‥‥‥学外である私でさえ気づくほどの人気なのに、今まで亮平くんに彼女がいるところを私は見たことがない。
私が彼氏とか出来たことないから気を遣わせているのかも？亮平くんならあり得る。
早く出来たら良いんだけど、こればかりは‥‥‥ごめんね、亮平くん。
申し訳ない気持ちいっぱいで亮平くんを見上げるけど、彼はいつも通り溶けるような笑顔を私に向けるだけだった。
「でもAが実行委員になるなんて凄いことだよね。今年の文化祭は絶対行くから！」
「え！無理しなくて良いからね‥‥？」
「違うよ、本当は去年から行きたかったんだけど用事あって行けなかったから。一緒に回ったりしたいなぁ‥‥‥ダメ？」
出た。亮平くんの得意技"上目遣い"だ。
これをやられてしまうと大抵のことは断れなくなってしまう。
「うん、亮平くんが良ければ」
「やった。言ったからね？約束だよ」
嬉しそうに頬を綻ばせて笑うから私もつられて笑ってしまった。実行委員と言いつつ出し物の中心になることはないと思うけど、亮平くんと文化祭回るのは楽しみだな。
先に私が電車を降りてここからは1人で学校に向かう。
といっても私の学校は駅から10分弱歩いたところにあるから、割とすぐ教室に辿り着くんだけどね。
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作者名：Haniko | 作成日時：2022年11月23日 11時
