62話 ページ21
文化祭1日目。
よく晴れた日で校門の前にはいつもはない大きなアーケードが待ち構えている。
中学生の時は憧れてたんだけどな、こういうお祭りごと。
今となってはひとりぼっちの自分とお祭り気分で騒ぐ生徒たちとの温度差がより浮き彫りになって、身を縮こめてどこかに隠れたい気分になってしまう。
教室に到着するとすでに何人か衣装に着替え始めていて、私は荷物だけ置いてすぐに教室を出て行った。
向かった先は体育館。
1階では生徒たちが文化祭のステージを設営していて、その間をすり抜けて2階へと上がると少し広いスペースに照明機材がバラバラに置かれていた。
クラスごとの出し物は午後からの予定になっているから、これらの出番は午前中にはない。
‥‥‥リハーサルで2階に上がった時絶好の隠れ場所だと思ったんだよね。
Ryohei.A
『今日文化祭だよね？がんばれ〜！！明日行くの楽しみにしてるね』
亮平くんが来るのは明日になっているから、今日はとりあえずここで休んでいよう。
亮平くんのLINEを確認したついでに舞子ちゃんのLINEも開く。
AA
『今度私の学校で文化祭やるんだ。舞子ちゃんはこういうお祭りも好き？もし良ければ一緒に回れたら良いな」
‥‥‥一緒に回るような友達もいないし。
周りの楽しそうな声、遠くで響く音楽。
そう言ったもの全てを耳に入れたくなくて逃げるように膝に顔を埋めた。
キャーーーーーーーーー！！！！！！！！
突然女性の悲鳴‥‥‥歓声？が聞こえて頭を上げる。
気づいたら周りのざわめきが来た時よりも増していて、そこでやっと自分が眠っていたことを悟った。
ステージは明るく照らし出されていてその前にはたくさんの人が集まっている。
午前中は確か、有志のパフォーマンスか。
ステージにいるのは‥村上くんか。
村上くん！？
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作者名：Haniko | 作成日時：2022年11月23日 11時
