26話 ページ26
『ごちそうさまでした！！！』
「ふぅ‥‥‥食べた食べた」
「‥‥‥」
「‥‥‥」
「よく‥‥‥食べすぎじゃない？舞子ちゃん」
「ちょっ亮平くん‥‥‥！」
阿部ちゃんが空の箱を見て呆然と呟いた言葉にAちゃんが慌てている。
え、そんなに食べたかなぁ？
「3人だったらこれくらい余裕だよね？」
「いや、私も亮平くんもそんなに食べる方じゃないから、多分舞子ちゃん一人でLサイズ1枚分くらいは食べてたかな‥‥？」
「え！？そんな食べちゃった？」
「でもよく食べる女の子って良いよね！！健康的な感じで！」
「いやこれはフードファイターとか目指すレベルじゃ」
「亮平くん！！！」
「‥‥‥あは、そうなの〜！！！私結構大食いなんだよねぇ」
やーば、久々のピザでテンション上がって女の子なこと忘れたまま食べちゃった‥‥‥。
でも、バレてはないみたい？
女の子でもこれくらい食べる子はいるよね！
内心焦りつつそう思い込んでなんとか笑ってやり過ごした。次からは食べる量もちゃんと合わせないとだね。
「ねぇやっぱり今日泊まってっちゃだめ‥？」
「そんな可愛い顔してもダメ！今日は舞子ちゃんと女の子同士でしかできない話とかしたかったの」
「そんなの俺でも出来るって！いつも2人で仲良くしてたじゃん」
「女の子の友達も欲しいんだって〜。亮平くんは、一番仲のいい男友達でしょ？」
Aちゃんが最後に放った『男友達』というワードに強烈なカウンターを食らった阿部ちゃんはそのまま静々と帰っていった。
同じ男としてちょっと同情心が湧きそうになって、また小さな違和感。
阿部ちゃんに対してメラメラと燃えたり同情しそうになったり。これってもしや。
「舞子ちゃん！私片付けとくから先お風呂入っちゃっていいよ」
「あぁ、ありがとう‥‥‥お風呂！？」
「ん？うん、そろそろ良い時間かなと思って」
お風呂ってワードに過剰に反応してしまった俺にAちゃんが冷静に返す。
そうだよね、普通にお風呂入るよね。さっきからダサすぎでしょ自分‥‥‥。
顔が赤いのを悟られる前に急いでお風呂場に向かった。
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作者名：Haniko | 作成日時：2022年11月6日 13時
