今日もカノジョは世界一可愛い！【Raul】 (ページ27)

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27話ページ27

脱衣所で服とウィッグを脱いでやっと肩の力が抜ける。

‥‥‥‥いやいや、まだここから！油断するな自分。

自分の頬を叩いて気合いを入れ直す。

男だからお風呂自体はそこまで時間が掛からなかったけど、洗面所で髪を乾かしさらにウィッグを付け直すという手間があったから割と時間がかかってしまった。

「ごめんお待たせ〜！お風呂ありがと！！」

「ううん！あれ？もう髪乾かしてきたんだ」

「あ、そう！勝手にドライヤー借りちゃってごめんね」

「全然大丈夫だよ、じゃあお風呂行ってくるね〜」

そう言ってAちゃんがお風呂に入っていった。

リビングに戻ると机の上にあったピザの箱とかは全て片付けられていて代わりに小さなアルバムが置いてあった。

そのアルバムがなぜか気になったのでめくってみると小学生の頃と思われるAちゃんの写真がチラッと見えた。

次々めくっていくと小学校の林間学校の写真、中学校の入学式、部活をしているAちゃん、体育祭、修学旅行と色んな思い出の写真があって、子供の頃からのアルバムなのかな？なんて。

隣にいっつも阿部ちゃんと思われる男の子が写っているのがなんだか気に食わないけど。

でもいつも隣にいるのが阿部ちゃんといえど中学校までは行事ごとにたくさん写真があるのに、中学の卒業式を最後に写真は終わってしまっていた。

次に2.3ページ飛んであったのは。

「‥‥‥水族館だ」

水族館の魚を見ている俺の写真だったり二人で撮ったツーショットだったり‥‥‥俺と一緒に撮った写真が現像して貼られている。

それ以外にも映画の半券や一緒にご飯を食べている時の写真もあってそれを見て胸がいっぱいになった。

‥‥‥修学旅行とか体育祭とかそんな楽しいイベントと並べられるくらい俺と過ごす時間も楽しいものだって思ってくれてたの？

遠くでシャワーの音が止まった気がする。

もうすぐ帰ってくるかもと思って、なぜか滲んだ涙を拭いアルバムを元に戻してAちゃんが帰ってくるのを待った。