3話 ページ3
洋服は康二くんと照くんプロデュースで、メイクはしょっぴーが。
「よし、終わっ‥‥‥た」
しょっぴーが最後唇に何か塗ってメイクが終わったみたい。
瞼を開けるとなんでか驚いた顔をした3人が俺を囲っている。
「‥‥‥俺今どうなってる？」
「‥‥‥どうって、どう？」
「なんで翔太が俺らに聞くんだよ。康二‥‥‥康二？ダメだ康二意識飛んでるわ」
「えぇ、そんなブスー？康二くん、どう？」
「付き合ってください」
「気持ち悪いよ康二くん」
「いや、やって！！！めっっっちゃくちゃ可愛ない！？しょっぴーも照兄もそう思うやろ！？」
「いや、正直すげぇいいよ」
「俺メイク上手すぎない‥‥‥？え、俺まじでそういう系の仕事目指そっかな」
どうやら中々いけてるらしい。
鏡がないから携帯のカメラで確認すると‥‥‥おぉ、割と可愛い、かも。
まつ毛は綺麗に上に上がっていて
瞼はキラキラとしていて結構可愛い
肌もちょっと綺麗に見えて血色感がある
唇もうるうるでツヤツヤだ
この身長さえなければマジでナンパいけるかも。
そう思えるような仕上がりだった。
そのまま約束通り駅前に向かう。
たしかにメイクと服装のおかげでなんとか女子に見える形にはなったけど、普通に女の子の格好してるって男としてのプライドがズタズタだ。
似合ってるー！わーーい！！じゃないよ。
もっと抵抗感を持て、自分。
マジで知り合いに見られたらどうしよう‥‥
そんなそわそわした気持ちでナンパを待っていた。
立ち続けて20分。足が疲れた。
ただでさえ慣れないヒールがついたサンダルを履いて足パンパンなんだよ。
どっか座るところ‥‥‥。
辺りを見回してみると小さなベンチがあった。
あそこに座って待ってよ。
よく考えたら別に立って待たないといけない決まりも無かったし、なんで立ち続けてたんだろ。
一人苦笑いしながらベンチへと向かった。
すると急に歩き出したからか女の人とぶつかってしまう。
わわわ、やばいやばい。
慌てて謝ろうとしたけど見上げてくる顔にどこか見覚えがあった。
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作者名：Haniko | 作成日時：2022年11月6日 13時
