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約束していたようにそこそこ名の知れている企業に進む選択をしたことは、まだ素直になれなかったあの頃の小さな反抗だった
あんなにも応援してくれた両親を悲しませるようなことまでして出てきた東京は、俺が手にしたい物なんて一つもなくて霞んで見えた
直人さんは有能だ優秀だって言ってくれるけど…そんなことない
そういう風に見せないように必死に“デキる奴”を演じてるだけで、本当の俺は・・・落ちこぼれの親不孝者だ
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そんな昔のことに思いふけていると時間は早く進むもので、降車する予定の名古屋に着くアナウンスが鳴った
こっからあの家に帰って車だけ持っていって駅に向かえば…
うん、いい時間
久しぶりのA
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
『A?』
「…」
『Aってば!』
「っ…!あ、あ、えと…ごめん」
友達と食事してても気になって……仕方ないなんて当たり前じゃない!?
久しぶりにタイムリーな返事が返ってきたかと思えば今夜会える?なんて急すぎるよ!!
だって最後に会ったのは………
ていうか私が一方的に見つめてた先輩の卒業式
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作者名:彗星 | 作成日時:2020年5月22日 23時