生き甲斐 ページ2
貴方side
私と転弧が出会ったのは3年前。
転弧が7歳の時、私が18歳の時だった。
酷く荒んだ姿で倒れていた彼を見て、私はすぐに家に連れていった。
倒れていた理由や親のことを聞くと、
彼は素直に話してくれなかった。傷だらけの顔を歪ませるだけ。
でも、所詮は子供。
お菓子やジュースをあげると、すぐに打ち解けた。
それから3年。
転弧は10歳になり、私も無事プロヒーローとなった。
生活も安定しているし、支障は全くない。
充実した毎日が送れている。
、
『転弧、またゲームしてるの？』
転弧「お客さん来るから、会いたくない」
『そっか…』
私のお客さんは、大体の人がプロヒーローである。
転弧は私以外のヒーローが嫌いだ。
特に、オールマイトは非常に嫌悪している。
聞いた話、転弧の両親はヴィランによって殺されたらしい。
その場にオールマイトがいたものの、
彼は何らかの理由があった動けなかったのだと。
何かに影響されるのが子供。
メディアで無敵と言われる彼には、相当期待していただろう。
でも、平和の象徴は自分の期待を裏切り、
両親を救ってくれなかった。
昔の私と置かれている状況が同じだ。
私も、5歳の時に両親をヴィランに殺された。
私はそのヴィランに地獄の教育を強いられ、
13歳のときにソイツを殺めた。
正当防衛だと世間は言うが、今もその時の傷は癒えないまま。
そんなのを、小さい子供が耐えられるわけがない。
、
背を向けて座る転弧の頭を撫で、小さく謝る。
転弧「…お母さんは謝らなくていい。
悪いのはあの
そう言って立ち上がり、私の背中に手を回した。
、
転弧「俺にはお母さんさえ居ればいいから」
「お母さんだけが生き甲斐なんだ」
ギュッと抱きしめる力を強くされる。
『……ごめんね。すぐ戻ってくるから』
頭をポンと撫で、私は薄く微笑んだ。
転弧「…待ってる」
いってらっしゃい。
転弧の言葉を聞いて、私は部屋を出た。
、
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おきた ねる - めっちゃ面白いです！これからも最新頑張ってください(*^^*) (2018年10月22日 10時) (
レス) id: 9c7c42b888 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちらちゃん | 作成日時：2018年9月21日 23時
