未来の行方1 ページ5
「じゃあ僕はこのまま戻るけど、君らはこの子のお母さんの様子見てから来てね。たぶん起きてるとは思うけど」
「なー、Aが急にいなくなってるんだったら親御さん心配しない?」
虎杖が困った様に五条に言った。
「うーん、そうだよね。僕、Aちゃんを硝子に預けたら説明に行くから。君らは新幹線で帰ってきてね」
そう言って消えてしまった。
ぼんやりした光を感じ目を開ける。
お母さん!!!
起き上がろうとして手が動かない事に気づく。
何これ、何これ!
手首が縄で1つに縛られている。
そこで呪力が出せない事に気づいた。
「おはよう、そんなに元気なら問題無いか」
気だるけな雰囲気をした美人な女の人がいた。
周りを見ていなかったから気づかなかった。
『あのっ!ここはどこですか⁉お母さんは⁉』
「詳しい話は悟に聞きな」
そう言って出ていってしまう。
訳が分からなくてボロボロと涙が落ちていく。
「ヤッホー!Aちゃん元気ー?」
五条が脳天気にやってきた。
『お母さん!お母さんは⁉』
「無事だよ」
肩の力が抜けていく。
『ははっ!よかっ…よかったよぉ…っ』
今は自分の処刑とかそんなものよりずっと安心出来る言葉だった。
「で、君についてなんだけど、宿儺も言ってたかもしれないけど死んでもらうよ」
その言葉に凍りつく。
「でも、うちの虎杖悠仁っていうもう1人の宿儺の器と一緒で執行猶予がついた。
まぁ、上は器は2人もいらないって言ってるけど」
『執行猶予?』
「そう。本当は悠仁に20本の指を取り込ませて死刑にする予定だったんだけど、君もいるなら宿儺の力を分散出来る。
だからもし、君らの体が宿儺に乗っ取られても最高10本の力しか出せないってわけ。
それには上が了承してくれてね。もちろん、今死にたいならそれでもいい」
五条は長い脚を放り出して椅子に座った。
『はははっ!そっかー、今死なないのか…』
涙でぼやけた視界で天井を見上げる。
それは喜ぶべき事なのか。どうせ死ぬ事には変わりないのに。それでもありがたいなと思う。
もう少しだけ、生きる事を許されたのだから。
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Pistachio(プロフ) - 夜叉さん» コメントありがとうございます^ - ^ 最新あたりまで読んでみてください。もしかするかもしれません…。 (2022年12月14日 2時) (レス) @page39 id: ad32aa8751 (このIDを非表示/違反報告)
夜叉 - メッサ面白いです!できればこのまま恋愛になって… (2022年12月13日 14時) (レス) @page19 id: 3e838afaa3 (このIDを非表示/違反報告)
Pistachio(プロフ) - 様々さん» なんか聞いたことあるなーって思ってました笑 でも何でしょうね?思い出せないです (2022年1月6日 21時) (レス) id: b8e9a9f876 (このIDを非表示/違反報告)
様々(プロフ) - 『両面宿儺2本目』を読んで「バーリアっ」に聞き覚えがあり、笑ってしまったw (2022年1月5日 19時) (レス) @page7 id: 746ca4e8e6 (このIDを非表示/違反報告)
Pistachio(プロフ) - 華苗さん» おわー!すみません!私の中の夢主ちゃんの名前です!この作品内では文香ちゃんにしてました。お恥ずかしい。直しておきました!ご指摘ありがとうございます! (2021年12月2日 9時) (レス) id: c8f62262c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Pistachio | 作成日時:2021年1月2日 21時