転入4 ページ15
『…なら、私は呪術師にならない。人を殺してその先に何かあると思えないから。
宿儺』
「ん?」
『逃げよう』
「ケヒッ、今逃げれば貴様は指名手配犯と同じ。全ての呪術師から命を狙われるぞ♡」
『うん。でも入学出来ない時点で死刑だよね。一緒に、来てくれる?』
ゲラゲラと笑う宿儺。
「ふむ。それも一興か。どこまで逃げられるか見ものだな」
『最期まで見届けてね』
力無く笑った。
「待って」
五条に腕を掴まれる。
「A、君を殺したくはない。ねぇ、とりあえず呪術師、やってみようよ。高校を卒業したら進学でもなんでもすれば良い。それは僕が保証する。
だから行かないで」
『私は良いですけど学長が納得しないんじゃないですか』
落ち込むと同時にだいぶイラついているAはギッと学長を睨む。
「学生の内に呪詛師と会うことは少ないでしょ。とりあえずは死刑回避、生きるために呪術を学ぶって事じゃだめ?」
「…ああ。だが、人を殺す覚悟はしておけ。大切な人を守りたいならな」
学長が釘を刺す。
「A、行こう」
なんであんな事言うかな。学長だって傑の事で生徒から呪詛師が出るのはトラウマだろうに。
まだ高校生という多感な時期にあんな事言われたら反抗しちゃうものだよ?
「は〜、今までで一番疲れた面談だった」
『すみません。ついカッとなっちゃって』
「面談だからあんな感じだけど普段は普通に教育者だから許してね」
『こっちこそ失礼でしたよね…』
「まぁ、学長は優しいから大丈夫でしょ。でも人を殺す事があるのは本当だからそれについてはよく考えておいてね。
にしても、逃げるとか無謀すぎ。僕最強だよ?後先考えないタイプ?」
それは否めないわ。
『そっ、んな事無いですけど、考え否定されたからついイラついて…。あれが宿儺だったら目にシャンプー塗りたくってた』
「何それ。どういう事?」
ケラケラ笑いながら身を屈めて聞いてくる。
『お風呂で』
「黙れ、A」
『クスクスクス。これ以上は駄目だって、おじいちゃんが』
「おい、誰がジジイだ」
『だって宿儺1000歳以上でしょ』
ふーん。宿儺とも友好的で呪術師としても悪くない。覚悟さえ出来れば僕と並べるかも、しれないね。今年の1年も粒揃いだ!
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Pistachio(プロフ) - 夜叉さん» コメントありがとうございます^ - ^ 最新あたりまで読んでみてください。もしかするかもしれません…。 (2022年12月14日 2時) (レス) @page39 id: ad32aa8751 (このIDを非表示/違反報告)
夜叉 - メッサ面白いです!できればこのまま恋愛になって… (2022年12月13日 14時) (レス) @page19 id: 3e838afaa3 (このIDを非表示/違反報告)
Pistachio(プロフ) - 様々さん» なんか聞いたことあるなーって思ってました笑 でも何でしょうね?思い出せないです (2022年1月6日 21時) (レス) id: b8e9a9f876 (このIDを非表示/違反報告)
様々(プロフ) - 『両面宿儺2本目』を読んで「バーリアっ」に聞き覚えがあり、笑ってしまったw (2022年1月5日 19時) (レス) @page7 id: 746ca4e8e6 (このIDを非表示/違反報告)
Pistachio(プロフ) - 華苗さん» おわー!すみません!私の中の夢主ちゃんの名前です!この作品内では文香ちゃんにしてました。お恥ずかしい。直しておきました!ご指摘ありがとうございます! (2021年12月2日 9時) (レス) id: c8f62262c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Pistachio | 作成日時:2021年1月2日 21時