初、対人戦9 ページ41
すうっと痣が浮かび上がり、瞳が紅く輝く。
重力などまるで無いように立ち上がった。
「A」
立ち上がった気配を感じてAが立ち止まる。
『…?』
さっさと母の元へ行きたいAは虎杖を斬ってしまおうと斬撃を繰り出す。
それを滑らかに避ける。
「はははっ!それは誰を手本にしたと思っている!」
なんとなくわかった。見た目はさっきとほとんど変わらないけれど今話しているのは宿儺だ。
『? 宿儺?』
ああ、もう1人の器がこの人か。
「正解だ。俺にそれが効くと思うなよ?
俺に噛み付くとは躾が必要みたいだな。
と、言いたいところだが今は休め」
早すぎて宿儺が一瞬で目の前に現れたように感じた。
足払いをされ、思いっきり転ぶ。
立ち上がる前に宿儺が被さるように両腕を掴んで、Aを地面に押さえつける。
『どいて、お母さん、の、ところに』
先ほど転んだ衝撃か激しく咳き込む。口の周りは血だらけだ。
「今は自分の心配をしろ」
『でも、捕まったら、死ぬ、んでしょ?』
ほとんど抵抗しない、する力のないAから手を離し、目を覆う。
「悪いようにはしない。今は寝ておけ」
『_____』
Aが眠ったようで全ての呪術が解かれる。
「…何これ?どういう状況?」
どう考えても同じ場所とは思えない。
山はめちゃくちゃだし、生徒もボロボロ、1番やばいのはAだけれども。
「遅いぞ。自称最強」
「他称も最強だけど?」
「Aにしてやられた癖に大きな口を叩く。Aを治せ」
「高専じゃないと無理だよ」
「なら連れて行け。せいぜい大事に扱えよ。俺の体でもあるのだからな」
「そんな事言われたら治したくないなー」
それを無視してAの顔についた血を拭ってやる宿儺。
「A、流石だなぁ。上出来だ」
楽しそうに笑って頭を撫でた。
ある筈のない慈しみを感じられるほど。
それを見た全員がそんな事をするのは予想外で驚く。
「小僧、代われ」
「意外ねー。あいつ、本当にあの子の事止めただけで帰っていったわよ」
釘崎が立ち上がる。
「そうだな」
伏黒も立ち上がる。
「そのためだけに出てくるなんて大事なんだろうねー、宿儺?」
ふざけながら最強がAを抱き上げる。
弱い呼吸を感じて早く戻らなきゃな、と思った。
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Pistachio(プロフ) - スイさん» そう言っていただけて嬉しいです!まだ完結はしてませんが、考えてはいます。最後に繋がるまでのストーリーがうまく書けてないので今は更新していません。元々不定期更新なのでゆっくりお待ちしていただけるなら今後もよろしくお願いします^ - ^ (2022年2月14日 22時) (レス) id: 6c8efbea45 (このIDを非表示/違反報告)
スイ(プロフ) - 面白い!神か!?、、ちなみにこれオチはありますか!? (2022年2月14日 10時) (レス) id: b9ea5c2d78 (このIDを非表示/違反報告)
Pistachio(プロフ) - リィさん» 未成年への配慮で…消えました…。一応フラグバージョンはあるので成人済みであればそちらから見ることができますよ!面白いって言っていただけると嬉しいです!長いのでゆっくり楽しんでください^ ^ (2021年11月1日 3時) (レス) id: d2ebfc00a6 (このIDを非表示/違反報告)
リィ(プロフ) - クリスマスの宿儺とのせっっっの話が消えている…だとっっっ?!結構好きだったんだけどなぁ…あっどうも、一回読むのやめて関連みたいなとこで出てきたからまた読み始めた者です((長い やっぱおもしろいっすね!大好きです!!! (2021年10月30日 5時) (レス) id: 3d8772a864 (このIDを非表示/違反報告)
Pistachio(プロフ) - mooさん» たぶん宿儺様の気分次第ですが、そこが良いですよね! (2021年9月9日 20時) (レス) id: 7f5c1d3d47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Pistachio | 作成日時:2020年11月30日 22時