両面宿儺と女子高生の日常！【呪術廻戦】

初、対人戦8 ページ40

腕に釘が刺さった。

そこから呪力が流れ込んできた。

『いっっっっ！？』

今までの肉体へのダメージとは何か違う。

幸い斬った方の腕に刺さったから反対の手でズルリと引き抜く。


そこに伏黒が腹部を蹴り上げた。


『っっっっっ！！！！！！！！』

肉が抉れた部分にクリーンヒット。声にならない悲鳴が上がる。


苦しい。
そりゃあそうか。肺が機能しないくせに激しく動いてるもんな…。


もう、動けないな。



力の細かい制御ができなくなって半径30m全域に重力をかける。

地盤が弱い部分は崩れ、木々が倒れていく。

1年生も地面にへばりついて動けない。

「ん〜、動けないっ！」

「全員生きてるか⁉」

「大丈夫だけど、動くのはムリ！」

伏黒は腕を動かそうとするも重力に逆らった動きが全く出来ない。体が潰れないだけありがたいとも思った。



『はぁ、はぁ、はーっ』

呼吸を整え様としてもずっと苦しいまま。


もう良いか。お母さん、病院に連れていかなきゃ。

足元がふらついて、近くの木に手をついて歩いた。


「A、動くな。生得領域では無い。死んだらおしまいだ」

その声に若干反応したものの、歩き続ける。


…殆ど無意識で動いているな。


宿儺は生得領域にて死に慣れてしまったAに酷く後悔した。

よくよく考えれば2ヶ月間何度も繰り返し死を体感しているのだ。

死に対する危機感が薄れてもおかしくはない。



「小僧、代われ」

重力で地面にへばりついたままの虎杖。


「駄目だっての！」

「Aがあれ以上動くと死ぬ。お前がもっと役に立てばこんな事しなくても済んだ。

もちろん止めるだけだ。他は何もしない」

「駄目！」

「なら、止めろ」

力を入れてみるも、立ち上がれない。それは伏黒、釘崎も同じだった。


「…本当に止めるだけだからな」

「やっと身の程を思い知ったか」

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