両面宿儺と女子高生の日常！【呪術廻戦】

初、対人戦6 ページ38

逃げた先で白黒2匹の犬がいた。おそらく何かの能力。だってこんな大きな犬がここにいるわけない。それに、存在が呪霊に近い。

犬と反対に走ると目の前からピンクの髪の男の子が走っているのが見える。


一瞬止まるのと同時に後ろの犬に追いつかれ1匹が脇腹を噛んだ。

『いっ⁉』

思わず片膝をつく。


『お願い、離して！』

無い方の手を振ると重力のベクトルが変わり、犬は離れた。けれど思いっきり腹部の肉を持っていかれた。


大丈夫、足がやられなければ逃げられる。


走り疲れたのか、痛みからか、息が上がる。

ピンクの髪の男子が「大丈夫⁉」と近寄ってくるのは五条に阻止された。


「君、強いね。逃げられたら困るからやっぱり帳、必要かも」

『え？』

何をされたかわからないけれど腕に痺れと痛み、衝撃が走った。

おまけにあり得ないくらい飛ばされている。




着地はほぼ重力を無くし、そっと降りる。

そこはいつか宿儺が領域展開を行った山だった。


腕折れた？たぶん折れた。
でも宿儺と特訓してわかった事は痛みさえ我慢すれば意外と骨折しても動かせるのだ。


「意外と健闘しているではないか」

愉しそうな声が聞こえる。


最悪の状況を作り出した王様がここにいる。

どうせ助けないなら静かにしていて欲しい。誰のせいでこんな事になってるんだか。


五条の攻撃は早すぎるし、重すぎる。

まるで宿儺みたいだなと思う。だからといって直接傷つける攻撃は避けたいところ。


一瞬で目の前に4人が現れ、空が黒く塗り変わっていく。


どういうこと？

目の前の現象が信じられなくて目を白黒させる。


「さ、続けて」

あくまで3人がメインで戦わせたいらしい。


出血で頭が回らなくなってきた。

「相手は3人、手加減して勝てるものではないぞ」



…あれ、戦ってたんだっけ？何か別の目的…、いやどうでもいいか。

たしかにそうかもなぁ。なんで手加減してるんだろ。

早く勝ってお母さん、病院に連れて行かないと。

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