両面宿儺と女子高生の日常！【呪術廻戦】

不審者2 ページ31

「だから、見せてくれる？」

そう言われてしまっては見せるしかないのだけれど。


一通り荷物を見せてそれでも納得しない呪術師。

「しつこいな。殺せ」

物騒な声を聞きながら平然を装う。


「じゃあ、もし何かわかったら連絡して」

そう言って名刺をもらった。




そのままクレープを買ってベンチに座って食べる。

「ねぇ、その、指ってあれだよね？」

『…うん』

「大丈夫なの？さっき狙われるとかって言ってたけど」

『麗香には話して、いいかな？』

これは宿儺に対する問いかけである。


「好きにしろ。どうせ何も変わらん」

『あのね、あの指飲んじゃったことが他の人に知られたら殺されるの。だから、絶対知らないって言って』

「…ごめん」

『だーいじょーぶ、だいじょーぶ。元々酔ってた私が悪いよ。だからさ、そんなに謝らないで』

テンションの下がった麗香を励ましながら家に帰る。



ベッドに寝転んで目を瞑った。

『宿儺、バレてるじゃん』

「貴様が弱いばかりに俺が何度も尻拭いをしてやったからなぁ」

『はぁーーーーーーー(そうですか)』


「逃げるか？今はこの地域にいるから限定されるんだ。ずっと移動し続ければ特定出来ない筈だ」

『いやー、でもそんなお金無いよ？親だって説得しなきゃいけないし』

「面倒なものだな」

食べてしまったのは自分なのでこれに関しては宿儺を責める訳にもいかない。


『麗香も宿儺もごめんねー。私がもっとしっかりした大人だとよかったんだけど』

「全くだな」

『宿儺、生得領域連れて行って』


その言葉と共に馴染みのある場所へと変わる。

自分と同じ顔だけど全然違う宿儺にぎゅう〜っと抱きつく。

黙っているけど殺されないって事は拒否じゃないよね。


『ごめん、ごめんねー』

誰に、何の謝罪かなんてわからないけどとにかく謝った。


「あのボンクラ術師は俺とAが混じっていることに気づいていなかったが、気づかれたら本当に死刑だ。どうするつもりだ」

『うーん、しょうがないからその時は逃げようか』

「そうか」


死刑だなんて犯罪者みたい。私達って殺されるほど悪い存在かなぁ。


「少し離れろ、馬鹿娘」

『今センチメンタルな気分なので喧嘩売ってこないでください』

「せん…？」

『宿儺って横文字弱いよね。かーわいい』

…そんな怒んないでよ。ほら、首と胴体が泣き別れだぁ。



次の日から学校前に黒スーツの人が立っている事が多くなった。

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