夫を支えるのは妻の役目【鬼滅の刃】

異変 ページ5

その後しばらくは変わりない日が続いたが、鬼舞辻の体調が徐々に良くなって行くように感じられた。


『無惨様、最近体調がよろしいですね』

「ああ」

複雑そうな顔をする鬼舞辻。



体調が良くなってしばらくなる。体調が良くなればAがここに通う意味はなくなるのだが、鬼舞辻は決して来るなとは言わなかった。


『体調がよろしいのになぜ外へお出かけにならないのですか？屋敷内をご一緒しますよ』

「私は…、今後日が落ちるまで外には出ない」

この意味不明な発言に対しても全く詮索しないAに鬼舞辻は本当に妻になる人がAで安心した。



それでも全く食事を摂らず、夜も眠らず、外には出ない、という生活を続けていてはAの詮索はないにしろ使用人の間で一体どうしたのか、妖の類に取り憑かれてしまったのではないかと噂になっていた。

それはもちろんAの耳にも届いた。


『あなたたち、確証もないのに主人のことを悪く言うものではありません。私が確認して参ります』



そうは言ったもののAも異変については感じているのだ。

そっと障子を開ける。


『おはようございます。無惨様』

「おはよう」

前は床に臥せる姿が見慣れていたがこの頃は奥に座っていることが多い。


『体調はいかがですか？』

「いいな。いい加減それをやめろ。もう私は健康になったのだ」

『ふふふ、そうでしたね。ではご気分はいかがですか？』

「悪いな」

『まあ、どうされたのです？』



これでは噂のことを聞くことができませんね。



「いや…」



鬼になり、日の光に当たると死んでしまうなど誰が信じるだろう。頭がおかしくなったと思われるなどごめんだぞ。ましてAにそんなことを言いたくもない。



Aは何も言わない鬼舞辻に静かに部屋へ入った。

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