【名前変換オリジナル】でも付き合ってないんです。

3.体育2 ページ4

続いて五十メートル走。
まずは自分から。

｢短距離好きなんだ。｣

｢すばしっこいしな。｣

この人は私を何だと思っているのだろうか。

｢女子の中で一番速かったら褒めてくれる？｣

駄目元でお願いしてみると

｢まぁ頑張れ。｣

おそらく承諾してもらえた。
これで頑張れる。

スタート位置について先生の声を聞く。

｢位置について、よーい｣

どん、という声と共に地面を蹴る。
様々な人に独特な走り方だと言われるが、自分はこの走り方が一番走りやすいし速い。

｢6秒92。頑張ったな。｣

｢あ、ありがとう…｣

一位じゃない気がするけど、
微笑みながらの頭ぽんぽん。
ごちそうさまです。


お次はペアの方。

｢じゃあ自分も終わったら何かしてもらおう。｣

一番だったら、とかいう条件はないがそんなことは気にしない。
何か出来るなら何でもしてやる、という気持ちだ。

スタートの合図と共に綺麗なフォームでゴールに走る。
一瞬見とれてしまった。

｢6秒05？お疲れ様。｣

同じように頭ぽんぽんをしようとしたが届かない。
背伸びしても届かない。

｢ありがとう。｣

何もできてないのにまた頭ぽんぽん。
さらに爽やかな笑顔まで。

｢…それは反則…｣

自分は何もしていないのにいろいろありがとう。
もうお腹がいっぱいです。

そう思いながら顔を両手で覆って熱い顔を隠した。

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