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ソロモンと契約して15年の月日が流れた
そして【その時】とは直ぐに訪れたのだ
目の前には目を覚ます事のない御主人様が居た
雨が降りしきる中、荒れた荒野の真ん中に一人寝転がっていたのである
御主人様が倒れている、只眠っているだけにしては雨のせいか身体が冷たい
早く何処か雨宿り出来る所へと避難しなければ…
人間の身体は悪魔とは違う、でもどうしてだろう_そんな事をしても【無意味】だと本能が言っているのは_
思わず彼の傍に座り込んでいた
ザァザァと音を立てて降る雨、空は当然ながら曇っている
そんな雨の中で轟々と音を立てて燃える国を見た
其れはソロモンの倒れていた場所から遠くない一つの国だ
何故燃えているのか皆目見当もつかないが、今はそれよりも御主人様の傍に居たいと思ったのである
ふと御主人様を見ると、何時も彼の指にはまっていた指輪が無い事に気付く
御主人様が取ったのか?ならば指輪は何処に…
彼の周りを目線だけで探してみるもやはり指輪は何処にもない
あれからは確かに【天界からの加護】を感じた
其れを肌身離さず持っていたソロモンが外した、という事にも不思議と納得が出来ない
誰かが持ち去った?ならば一体誰が…
そう思った時、手の中で【何か】が少し動いたのを感じ取る
ふとその音の方へ視線を向けると其処には咳き込みながらも俺の方を見て微笑む御主人様の姿があった
「御主人様、これは一体…早く人間界の治療を受けなければ大事になりますよ」
「……ちょっと、寝てただけなのに。大袈裟だよ、フラウロスは。でも…僕が眠っていたせいで、げほ、一つの国が滅んでしまった」
微力な力で力無く微笑む御主人様
大袈裟なのかは知らないが、兎に角雨の当たらない所へと口に御主人様の服を咥え引き摺って運ぼうとしたのだが其れを御主人様は拒みそして俺に言った
「…フラウロス、もしも僕の話を信じてくれるのなら。僕とフラウロスはもう【契約していない】只の悪魔と人間になったよ、其れを望んだならきっと。でも……げほ、まだ僕の友人なのなら、一つ頼みを聞いて欲しい。……げほげほ、【あの城】で待っててくれる?フラウロスにしか頼めないから。」
周りには誰も近付かないように細工をしてるから、フラウロスは快適に過ごせると思うよ
なんて言う御主人様にもう訳が分からなかった
只御主人様が言うのなら、それは守らなければならないのである
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雨桐(プロフ) - にゃーちゃんさん» 初コメありがとうございます。更新渋っていたのでモチベが上がりました!これからも頑張りますので応援の方宜しくお願い致します。 (11月23日 14時) (
レス) id: 24188e2a99 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します！とても面白くて、一気読みしてしまいました…！悪魔とかそういうのめちゃくちゃ好きなので嬉しい！更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (11月22日 16時) (レス) @page31 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
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