怖かった事 ページ32
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今の精神状態だと間違いなく簡単に理性の手綱を放してしまう。簡単に『獣』を解き放ってしまえる。
そんな姿を見せて怖がらせたくない。
好きだと伝えられたのに。好きって言って貰えたのに。せっかくお互いの気持ちが通じ合えたのに。
「好きだから……またAに嫌われたくない」
こんなにも怖いのか、本気で好きになった人に本性を晒す事が。
みんなもこうして怯えたのかな。
「……どうなるかなんて分からないけど、」
「っ、」
「嫌いにはならないよ？」
ふわっと優しく微笑むAの表情に息を呑んだ。
「これからどうなるか、流石に全然分からない訳じゃない。でも、知らないことのほうが多くてちょっとは怖いって気もあるよ？
でもね？テテが私の初めてなら……いい、かなって……思っちゃった」
頭の中がカッと熱くなる。心拍が一気に早まり、気分が高揚したと同時に手綱が緩んで抑えていた『獣』が一瞬顔を出す。
「じゃ、ちゃんと答えをくれよ」
「Aの夜を……俺にくれる？」
瞳が輝きながら揺れる。
ゆっくり動く唇。
「……はい」
紡がれた言葉に『獣』を抑え込んでいた俺の心が我慢の限界を越えて、とうとう俺は手綱を手放してしまった。
これまで上手く飼い慣らしてきた『獣』に屈服してしまった。
「優しくできなかったらごめん。本気で怖かったらちゃんと教えて……っ」
燃え盛るような熱が渦巻く中心に意識を呑まれながら、どうにか伝えられた前置きを言い終わるや否やAと唇を重ねた。
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あがしおん(プロフ) - Laurentさん» いつもコメントありがとうございます！コツコツと続きを鋭意制作中です。励みになります！頑張ります！ありがとうございます！ (2020年5月16日 11時) (
レス) id: 97c4c54377 (このIDを非表示/違反報告)
Laurent(プロフ) - こんばんは！いつも楽しませて頂いております。ピュアさもありつつ作り込まれたあがしおんさんのお話が本当に大好きです……！あがしおんさんのペースでゆっくり更新頑張ってくださいね！応援しております (2020年5月16日 1時) (レス) id: 1f1ed7af51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あがしおん
| 作成日時：2020年3月23日 19時
