はい、乾杯 ページ27
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部屋はキャンドルの温かい灯火に照らし出され、作る淡い影が炎のゆらめきに合わせて揺れ動く。
寝酒を置いていくだけなのに、ここまでムード作ってくれるヒョンのメイドさんってば、どこまでも気を利かせすぎ。
Aへのプレゼントといい、この部屋の雰囲気作りといい、既成事実でも作れとジニヒョンにミッション与えられたような気がしてならん……。
「……ど、どうしたの？テテ？」
「ん、ううん……何でもない」
どっかでヒョンが見てるんじゃないかって思わず後ろを振り返ってしまった。
Aをソファに座らせて、俺はその隣を陣取り、早速ワインを開けてグラスに注ぐ。
「どうぞ」
「ありがと……」
濃い赤が揺れるグラスを彼女の前にそっと置き、自分のグラスにも注ぎ入れた。
ワインがグラスに溜まる様子を見つめるAの匂いに、少し緊張の匂いが紛れ込んでいるのがわかる。
何で緊張しているのか、分からなくはない。
二度目の俺の部屋に超絶セクシーな薄着でやって来て、酒を振る舞われるとか。この後どうなるのかを嫌でも想像しちゃう。
何なら俺のほうが期待しちゃっててもうヤバいったらない。
「はい、乾杯」
「な、何に乾杯？」
「あー、んー。仲直り記念とデート楽しかったね、の？」
気の利いた台詞も出てこない。語彙力も霧散する勢いだ。
軽くグラスを掲げ、クルクル赤い水面を揺らし香りを楽しむ。それからゆっくりワインを口に含む。
爽やかな甘さと口当たり。渋みが少ないからきっとAでも飲みやすいだろう。ちらっと隣のAを見てみた。
秒で中身が消えていくワイングラスが目に入る。
「ぐぷ！」
豪快に一気に空けている姿に吹き出しそうになった。
「くっふふふ！ワインはそんなに一気飲みするものじゃないよ！」
「ご、ごめん……なんか緊張してて」
「だからってそんな飲み方は止めておきなよ？そもそも弱いんだし」
「……気をつけます」
「少しはクラッカーもつまんでね？ワインばっかりは悪酔いするから」
もじもじ指先で俺のガウンと遊ぶAのグラスにおかわりを注いだ。
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あがしおん(プロフ) - Laurentさん» いつもコメントありがとうございます！コツコツと続きを鋭意制作中です。励みになります！頑張ります！ありがとうございます！ (2020年5月16日 11時) (
レス) id: 97c4c54377 (このIDを非表示/違反報告)
Laurent(プロフ) - こんばんは！いつも楽しませて頂いております。ピュアさもありつつ作り込まれたあがしおんさんのお話が本当に大好きです……！あがしおんさんのペースでゆっくり更新頑張ってくださいね！応援しております (2020年5月16日 1時) (レス) id: 1f1ed7af51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あがしおん
| 作成日時：2020年3月23日 19時
