こんな僕でも・・・が欲しい！

だって男の子なんだから ページ4

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　“あの時期”とは詰まる所、“繁殖時期”の事。

　まぁ、繁殖だなんて、言葉のチョイスに問題あるけども？ぶっちゃけそうだし。

　代々男系にしかその特異性が受け継がれない僕等ヴァンパイアだって、人間と同じく子孫繁栄のために相手を探し、それなりにちゃんとした順序を経る必要がある。

　いきなり襲っちゃうような事は致しません！

　相手を選ぶにあたって大事にしている事は、ほとんど普通の人間と変わらず、フィーリング、性格や素行、などなど。

１つだけ人間と違うところがあるとすれば、相手の女性の“味”。

　美味しくなければさすがにいろいろ頂けません。
普通の“食事”ならいざ知らず、僕らの子供を残すためだから、選びに選ぶのは当たり前。
つまり、“食事”相手は“あの時期”の相手を探す手段の1つであり、かつ、最重要項目。

自分好みの女性を探すためにも“食事”は欠かせない行為なんだ。

　当然、ユンギヒョンは若いうちに“あの時期”もとっくにクリア済みで、今は“食事”にさえ困らなければそれでいいのに、“あの時期”が近づくとちゃんと相手探しをしている。

　昔から女性にモテた事の無いヴァンパイア歴数十年の僕に、そこまでの経験値があるはずもなく、普段の“食事”にも困る有様。


　僕に“あの時期”を越えるのは到底無理だろう。




　……萎えるわー。


　ちなみに教育期間は人によるそうだけど、目安は最初の“あの時期”を無事クリアするまで。

　つまりユンギヒョンは、未だに“あの時期”をクリアできない僕という貧乏くじを引いてしまった事になるんだ……。

　申し訳なさいっぱいでユンギヒョンを見上げると、僕と目が合い、軽く溜息を洩らした。

「あのな？俺は相当少ない方なんだぞ？ジニヒョンを見てみろ？200人越えだぞ？200人！」
「……あの人は別格ですよ、別格」


　出たよ、その名前。出ると思ったよ、その名前。


　僕はその人の名を聞いて、更にげんなりした。

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