ちょっとだけ本気出してみた ページ21
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足音を消して玄関に近づく。
まだ居る、な。
鍵をそっと外して勢いよく玄関を開けると、目の前の男が怯んだ。
そして弾かれるように男が逃げだした。
でも残念。足の早さだったら今の僕の方が上。
Aさんの血をちょっぴりいただいたおかげですっかり元気な僕は、非常階段を使って逃走を図る男の後を追って、靴も履かず外に走り出し非常階段近くの腰壁を軽く飛び越え、そのまま地上に向けて舞い降りた。
「ジミンさん！」
上からAさんが僕の名前を叫ぶ声が聞こえた気がした。
着地から1回転して受け身をとり衝撃を緩めて体勢を整え、地を蹴る勢いで前方に飛び出し、非常階段の出入り口に先回りして立ち塞がった。
程なくして降りてきた男と鉢会わせる。
僕を見て驚きたじろいだ男は、腰を抜かしたように尻もちをついてその場に崩れた。
地べたにへたりこむその男を見下ろして尋ねる。
「……君、彼女の何？」
僕の低く出た声に震えだし、ずりずり後退る。
「彼女の友達？それともヒョンニム？」
何より家族なら匂いが似てるはず。
こいつは全然違う。
知り合いならAさんが怖がるはずがない。
「もう１度聞く。……お前は彼女の、何？」
さらに男に詰め寄ろうと一歩踏み出したその時、非常階段を降りてくる足音に気づき、足が止まる。
その隙に僕の横を滑るように逃げた。
僕は敢えて追わず、男に一瞥をくれてやった。
逃げた、というより逃がしてやった、が正しいから。
ま、あの匂いを辿れば突き止められるしさ。
……て、僕って警察犬みたいだな。
思わず苦笑いした。
間もなくして息を切らしてAさんが非常階段を駆け下りてきた。
「じっ、ジミン、さん？」
「あ、Aさん、ごめんなさい。あの男、取り逃がしてしまいました」
逃がしてしまったのは事実だから、Aさんに素直に謝ったら、
「そんな事より！大丈夫だったんですか？！怪我してないんですか？」
「うん？怪我？」
「だって飛び降りたの、６階！」
Aさんの部屋がある階を指差しながら、ものすごい剣幕で怒る。
「………………あっ、」
急いでたからショートカットして飛び降りちゃったんだっけ。
困った、なんて言い訳しよう……。
また、たらっと冷や汗が出るのを感じた。
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あがしおん(プロフ) - syky1814さん» コメントありがとうございます。間もなくパス外して更新しますので、もうちょっとだけお待ち下さい〜。 (2020年6月13日 21時) (
レス) id: 4017986d72 (このIDを非表示/違反報告)
syky1814(プロフ) - はじめまして結婚してくださいのパスワードを教えてください。 (2020年6月13日 21時) (レス) id: 1e639eab67 (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - kinanekoさん» コメントありがとうございます！何だかガッツポーズが見える気がしてきましたｗそんなに喜んでいただけると作者冥利に尽きます。ありがとうございます、ぼちぼちっと頑張ります♪ (2019年1月3日 22時) (レス) id: 1e736e073a (このIDを非表示/違反報告)
kinaneko(プロフ) - あがしおんさんの新作を見つけた時、「来た……!!!!よっしゃ！」と思いました！今年もいろんな作品が見たいです！頑張ってください！応援しています！ (2019年1月3日 21時) (レス) id: 6812edf24f (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - ARMY&CARATさん» 私の拙い作品を気に入っていただけて、ありがとうございます！マイペースですが、更新頑張ります！ (2018年12月29日 2時) (レス) id: 1e736e073a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あがしおん
| 作成日時：2018年12月25日 0時
