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SJ side
Aちゃん、すぐに主任に戻しちゃうから、もう少し名前で呼んでもらおう。
さっきまでいい気分だったのをジミンに邪魔されたしね。
Aちゃんに触れていると、醜い僕がまた
『このまま押し倒しちゃえば』って。
ダメだ。
Aちゃんはまだ選んでいない。
ここで手を出すのはホントの卑怯者だ。
でも・・・この手を解きたくない。
離したらまた遠ざかる・・・。
繋ぎ留めていたい。
SJ「どうしよう、Aちゃん。」
――僕のものにしたい。
SJ「僕、Aちゃんを離したくなくなった。」
本当に子供みたいだ・・・。
SJ「このまま部屋に連れて帰りたい。」
A「主任?」
やっぱり“もの”って言い方は好きじゃないけど
他に良い例えが見つからないんだ・・・。
SJ「・・・でもだめだよね・・・まだAちゃんは僕の・・・彼女じゃないから。」
A「ソクジンさん・・・」
僕はゆっくりAちゃんを解放した。
SJ「・・・ありがとう。甘えさせてくれて。」
A「いっ・・・いえ・・・。」
何かを思い立ったような顔のAちゃんに聞かれた。
A「あの・・・主任、どうしてあれから私と距離を置いたんですか?」
気にしてたのかな。
SJ「僕、こう見えて結構嫉妬深いよ?だから近くにいると絶対邪魔しちゃうと思う。
それじゃあAちゃんが公平な判断が出来なくなるでしょ?」
A「私のため?」
SJ「うん。そもそも僕から待つって言っておいて、ちょっかい出すのは間違ってるだろうし。」
A「主任・・・。」
SJ「あ、今日の分は特別ね?Aちゃんがいいって言ってくれたから。」
そう言うと顔を真っ赤にするAちゃん。
SJ「でも、1番はやっぱりジョングギと一緒に居るところ見るのが辛いから。」
A「主任、あの・・・」
SJ「・・・もしAちゃんがジョングギを選んでも、僕は構わないよ。」
A「え!しゅに・・・」
SJ「一番大事なのはAちゃんの気持ちだから。」
A「・・・」
SJ「僕はもう大丈夫。向こうに戻って?ユンギがあんなに爆笑してた理由、気になってたでしょ?聞いておいでよ。」
…これ以上Aちゃんをここに居させると余計なことまで言いそうだ。
──やっぱり僕を選んでほしい。
僕の隣に残るAちゃんの気配を感じながら、言えないわがままを残った酒と一緒に飲みこんだ。
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作者名:あがしおん | 作成日時:2018年5月12日 12時