好きな人は遠きにありて愛でるもの…だけど (ページ33)

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NJ side

──宴会の席は盛り上がりを見せ、みんなもハイペースで出来上がっていった。

ホソクとジミンはAちゃんとぴったりくっついて離れない。
ジョングクはそれを見て若干不機嫌。
テヒョンは･……不機嫌なジョングクの肩にもたれ掛かって爆睡。

まあ、変わらないいつもの親睦会の光景だ。

普段なら俺もいい気分になってる頃だろう、しかし、今回は勝手が違った。

とにかく、ジニヒョンが気になって仕方がなかった。
昔を思い出して、また今以上に臆病になってしまうんじゃないかとやきもきしていた。

NJ「ジニヒョン！こっちこっち！」

角のテーブル席の俺とユンギヒョンのところに呼び出して、思ってることをジニヒョンにぶつけた。

NJ「ヒョン、この店、覚えてますよね？」

SJ「ああ、すごい偶然だよね。
僕たちが昔、通ったことのある店がまだ残っててくれたんだね～。」

ニコニコしているヒョンの笑顔が作り笑いだってことに、俺もユンギヒョンもすぐ気が付いた。

YG「ヒョン、辛いなら長居しなくていいよ。ここ、もう随分来てなかったろ？」

SJ「何言ってるの！他のみんなは知らないでしょ？僕たちの昔の事なんて。
わざわざ水を差す事ないでしょ？楽しんでるんだからそれでいいじゃない。」

NJ「でも……。」

無理矢理な笑顔を見て、ジニヒョンが無理をしていることくらい分かる。

が、ヒョンの意見も一理あると納得せざるを得なかった。

SJ「僕の心配はいいから、二人は純粋に親睦会を楽しんでよ。」

苦しそうに笑うと、グラス片手に角のボックス席へ消えていった。

NJ「やっぱり……あの人とここで何かあったのかな、ジニヒョン。」

独り言のようなつぶやきに

YG「さあな。俺らに言えない事でもあったんじゃねぇの？」

ユンギヒョンは酒を呷りながら渋い顔で答えた。

表情が暗いのはユンギヒョンも一緒だった。
ユンギヒョンは……何か知ってるんだろうか？

俺がこれ以上ジニヒョンにいろいろ聞いても、またはぐらかすだけだろう。

NJ「あ、ちょっといいかな？」

こんな時に頼んでいいものかと悩んだけれど、俺は適任者にジニヒョンを任せてみることにした。