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SJ side


夜道の景色しか知らない、Aちゃんの家までの道。
見慣れない静かな早朝の風景に、迷子にならないかちょっとドキドキする。

朝日が昇る前の空気は澄んだような清々しさ。
冷えて感じるものの、スーツを着てなくても過ごしやすい気候だ。

時々聞こえる車のエンジン音やシャッターが風で揺れる音。

鳥の羽ばたき、響く僕の靴音。

人通りがない道を、僕一人で独占している。


新聞配達のバイクが僕の横を通り過ぎた。少し先でエンジンをかけたまま停車し、すぐ動き出す。


再び訪れる静寂。


早朝のこの静けさが僕は好きだ。




「確かこの方向にスーパーあったよね。」


24時間営業のスーパーなんて珍しいから覚えてたんだ。



しばらく歩くと見えてくる、静寂に不釣り合いな煌々と明るい光が漏れる1軒の店。

スーパーを見つけて中に入ると、さすがに早朝だけあって、客は全くいない。
品出しの最中なのか、通路には台車みたいなものが並び、店員さんが慌ただしく作業している。

人の声よりも物音の方がよく聞こえる。


店内を一巡する。


・・・僕が食べたいものを作っていいかな。

「朝ならご飯と……」


最近お魚食べてないな。 ・・・ポイ

あ、これ、汁物の具にしよう。 ・・・ヒョイ

う〜〜ん、卵の少量パックって結局割高になるんだよなぁ。
でも仕方ない、美味しく食べて使い切ったほうがいいよね。 ・・・カサカサ



他には〜・・・っと。

「・・・あ!」

鶏肉たくさん買っちゃった!

から揚げいっぱい作ってAちゃんのお昼にしてもいいかもね!

早く帰ってつ〜くろ♪

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作品ジャンル:恋愛
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作者名:あがしおん | 作成日時:2018年5月12日 12時

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