好きな人は遠きにありて愛でるもの (ページ29)

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……気が付けば、私は湯船で体を温めていた。

いろいろなことがありすぎて、盛りだくさんな夜。

「主任とジョングク君に告白されたんだ……。」

しかも…主任、ポッポして帰ったよ？

別れ際、ソクジン主任の唇が触れた頬を指で撫でる。

……あの情景が甦ってきた。

「～～～～！///」

思い出しただけで心臓が早鐘の様に鳴りだす。

恥ずかしさでどうにかなりそう！

ごぼごぼごぼごぼ……

湯船に頭まで沈み込む。

あーもー！このまま溶けて無くなりたい！

私は……今まで恋愛対象として意識もしなかった二人からの告白に嬉しさと戸惑いを感じていた。

突然のモテ期到来にちょっと前の私なら小躍りして喜んだだろう。

でも現実は結構シビアで、どちらかを選んだら、確実に選ばれなかった方を傷つけてしまう。

しかも、二人を天秤にかける様な事をしなくてはいけなくなったのだから。

プカッと顔だけお湯の外に出したと同時に溜息がこぼれた。

「はぁ～～～……来週からどう二人に接すれば…。」

纏まらない考えと落ち着かない気持ちに、ずっと頭を悩ませた週末になってしまった。