〜紹介〜 4 ページ29
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ダメだ。止まらない。
あまり乱暴にはしたくないという思いはあるのに甘い香りに酔い、紅い蜜に誘われ、湧き出す熱に弄ばれ、俺の中の獣が容赦なく暴れまわる。
人の家で自分の女の肌を曝させて、少しの躊躇いもなかったのか。
肌を叩きつけ羞恥を煽る音をわざと聞かせる行為に優しさなんてあるのか。
欲に任せ、Aを激しく揺らしながら謝る言葉に、どれほどかの懺悔の意が込められているのか。
「は、……ユンギ、もうっ!」
「A……、いいよ。俺も……いっぺん……っ、」
身体が弱いと解っていながら果ててもまだ求め、自分勝手にAを汚すことに後ろめたさはないのか。
「はぁ……っ、はぁっ、A、もっと……」
答えは是であり非でもある。
今は思うだけで精一杯。
“あの時期”の最中に自制や気遣いなんて、やっぱり俺には難しい。
激しめの事の後の疲労と一日の気疲れで、転がり落ちるように眠りに就いたAを部屋に残し、俺はヒョンの所に足を運んでいた。
ドアが開くと俺を見るなりクスリと笑い、匂い付けすぎって軽く揶揄われ、通されたその部屋はヒョンの書斎。
壁の書棚には古びた分厚い本が所狭しと並び、圧迫感を感じる。その向かいのソファに深く腰掛け、ウィスキーグラスがローテーブルに並ぶのを眺めていた。
「“味見”の後ってみんな嫉妬しちゃうよね?」
「は?俺が嫉妬したからヤってきたと思ってんの?」
「えー?違う?」
ヒョンと二人きりの時は時々こうして言葉が砕ける。
それを許してくれるのはヒョンの優しさでもあるし、長年の友でもあるから。
「だって彼女の“味見”した時のユンギの顔、相当酷かったよ?」
「………………」
“味見”はほぼ強制。特に一族の長が相手なら格下の俺達に拒否権はない。
そこで嫉妬するとか、首が刎ね飛ばされる。
「寂しがりのあいつを、おもいっきり甘えさせてやっただけ」
「あっひゃひゃひゃ!誤魔化したつもり?下手だな〜!」
ヒョンが俺を揶揄いケラケラ笑って耳触りのいい音を立ててグラスにウィスキーを注ぎ、俺もウィスキーグラスを手にした。
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あがしおん(プロフ) - かなこさん» コメントありがとうございます!ドキドキ&しっとりとした雰囲気を暫しお楽しみください♪ (2019年7月3日 7時) (レス) id: 97c4c54377 (このIDを非表示/違反報告)
かなこ(プロフ) - こんな僕でも…を読み返そうかなと思っていたらまさかのユンギ verの連載が始まっててすぐ読みました(*^^*)こっちのお話もドキドキさせてもらってます(〃ω〃) (2019年7月2日 23時) (レス) id: 9abaeb2ac4 (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - miyaさん» コメントありがとうです!あぁっ!心臓大丈夫ですかっ?!男前ユンギさんが描けてるなら、もう作者いうことないです! (2019年6月25日 22時) (レス) id: 00967bc65a (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - たきゆさん» コメントありがとうございます! ええ、切ねぇです。正直切ねぇです。切ねぇですが!ボチボチゆるっと更新をお待ちいただけたらなぁ、と! (2019年6月25日 22時) (レス) id: 00967bc65a (このIDを非表示/違反報告)
miya(プロフ) - ユンギがぁ〜男前過ぎて、心臓が痛いです!! (2019年6月25日 21時) (レス) id: 3d660c888b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あがしおん | 作成日時:2019年6月5日 21時