〜紹介〜 1 ページ26
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俺には兄のような存在の頼れる友がいる。
「やあ!ユンギ!会社抜け出してまた遊び呆けてるんだって?」
高伸長、柔らかい眼差し、高い鼻にぽてっとした唇。黄金比で整った顔をくしゃっとさせて笑う、俺の一つ上のソクジンさん。
一族の長であり、俺が唯一かしずく存在。
長にのみ与えられた“特権”と呼ばれる特別な術を使うことを許された者。だが、それを使わなくとも女達を魅了できるほどの美貌を持つ男。
「……ジニヒョン、誰からそれ、聞いたんですか?」
「ユンギの秘書のスヨンさんだよ。逐一報告してくれるから、有難いよ!
いいなぁー!釣りしたい!ゲームしたい!僕も遊び呆けたいよぉっ!」
一歳しか年が変わらないのに俺よりも幼い精神年齢しているが、それは自分の心を守るため、人知れない苦労を隠すためのカモフラージュ。
あの人は誰にも頼らず独りで全てを抱えて生きる人。
たった独りで子の出生率の悪さと死亡率の高さについて調べ続けている。それに必要な実験も自ら被検体となっている。
全ては子孫繁栄の為、実験に俺達を強制参加させないため。同族から自由恋愛の機会を奪わせないため。
「そんな苦労なんて僕一人で十分だろ?なんたって一族の長なんだから」
……それがヒョン、俺達ヴァンパイアの長だ。
そんな人が近く、妻を娶る事になったらしい。
珍しく、実験や調査のためじゃない普通の結婚。
「女性を実験道具だと思ったことは一度たりともないけど、彼女は……彼女だけは心から大切にしたいと思える特別な人なんだ」
「そちらのレディはユンギのそういう
俺を揶揄いつつ優しい視線を送る先には、俺の隣で少し緊張して座っているAがいる。
「まあ、そんなとこです」
「だろうね!空気が違うもん、空気が!」
なんの空気だよと言ってやりたくもなったが、この人に本気の悪態が吐けない俺は、
「……だから揶揄うなっての」
照れ隠しで不貞腐れるばかりだった。
「ねえAさん?ユンギに苛められてない?」
「い、いえっ!そんな、とんでもありませんソクジンさん!ユンギさんはいつでもとっても優しいです!」
……おい、何故取り繕うような言い方を。
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あがしおん(プロフ) - かなこさん» コメントありがとうございます!ドキドキ&しっとりとした雰囲気を暫しお楽しみください♪ (2019年7月3日 7時) (レス) id: 97c4c54377 (このIDを非表示/違反報告)
かなこ(プロフ) - こんな僕でも…を読み返そうかなと思っていたらまさかのユンギ verの連載が始まっててすぐ読みました(*^^*)こっちのお話もドキドキさせてもらってます(〃ω〃) (2019年7月2日 23時) (レス) id: 9abaeb2ac4 (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - miyaさん» コメントありがとうです!あぁっ!心臓大丈夫ですかっ?!男前ユンギさんが描けてるなら、もう作者いうことないです! (2019年6月25日 22時) (レス) id: 00967bc65a (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - たきゆさん» コメントありがとうございます! ええ、切ねぇです。正直切ねぇです。切ねぇですが!ボチボチゆるっと更新をお待ちいただけたらなぁ、と! (2019年6月25日 22時) (レス) id: 00967bc65a (このIDを非表示/違反報告)
miya(プロフ) - ユンギがぁ〜男前過ぎて、心臓が痛いです!! (2019年6月25日 21時) (レス) id: 3d660c888b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あがしおん | 作成日時:2019年6月5日 21時