〜旅行〜 ４ ページ24
.
「は〜！お腹いっぱい♪」
「相変わらすよく食うヤツだな」
コース料理を綺麗に平らげ、おまけに俺のメインディッシュまで奪う様に腹に収めたAが満足そうにベッドに寝転がる。
部屋のテーブルに届けられていたシャンパンを開け、グラス二つに注ぎ、
「ん。口直し」
ひとつをAに手渡した。
カチンと高い音を鳴らして乾杯し、シャンパンでのどを潤すAが尋ねる。
「ユンギって、ホント小食よね？」
「だから言ってるだろ？基本、俺に人の飯は要らねぇんだよ」
「うん、流石にもう慣れたけどさ？こういうところに来るとやっぱり改めて思ったって言うか」
「いや今回はこれでもかなり食った方だし」
「でも、メインディッシュには手も付けなかったよ？」
「……そりゃそうだろ？目の前に一番のご馳走があるのによ？食ってられるかよ」
流し込むシャンパンで噎せそうになり、ぐっとグラスを戻したAに睨まれた。
「ねぇ……その『ご馳走』って」
「お前しかいねぇだろ」
「あはは……それ、喜んでいい事なのかな？」
「喜べ喜べ！俺様が認めた味だ、光栄に思え！」
Aの空のグラスに再びシャンパンを注ぎ、二度目の乾杯をした。
はしゃぎ疲れた身体に染み渡ったアルコールは、Aを乱れさせるには十分すぎた。
「ん……はあっ……！あつ、い」
「……あぁ、すげぇ熱いな」
深く舌を絡めるキスをしたまま着ていた服を緩め、いつになく熱を帯びる柔肌に手を滑らせ、昂るリビドーのままに弄れば、Aは更に息を上げ、光が揺れる瞳で熱っぽく見つめる。
熱を上げるAの身体から立ち上る、欲を擽る甘く濃い香りがいつもに増して濃く強く俺を誘う。
求められている。欲しがっている。
今頂いたら絶対美味いだろうな。
「なあ、……そろそろ頂いてもいいよな？」
こくりと一つ頷いたAの首筋に口付けて紅く甘い蜜を吸う。
甘さの中にアルコールが混ざり、本物のポートワインでも飲んでいるかのようなその味を堪能する。
「ふあぁっ……！」
軽い極致の疑似体験に体を強張らせ、やがてくたっと力が抜けるA。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 524人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あがしおん(プロフ) - かなこさん» コメントありがとうございます！ドキドキ&しっとりとした雰囲気を暫しお楽しみください♪ (2019年7月3日 7時) (
レス) id: 97c4c54377 (このIDを非表示/違反報告)
かなこ(プロフ) - こんな僕でも…を読み返そうかなと思っていたらまさかのユンギ verの連載が始まっててすぐ読みました(*^^*)こっちのお話もドキドキさせてもらってます(〃ω〃) (2019年7月2日 23時) (レス) id: 9abaeb2ac4 (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - miyaさん» コメントありがとうです！あぁっ！心臓大丈夫ですかっ？！男前ユンギさんが描けてるなら、もう作者いうことないです！ (2019年6月25日 22時) (レス) id: 00967bc65a (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - たきゆさん» コメントありがとうございます！ ええ、切ねぇです。正直切ねぇです。切ねぇですが！ボチボチゆるっと更新をお待ちいただけたらなぁ、と！ (2019年6月25日 22時) (レス) id: 00967bc65a (このIDを非表示/違反報告)
miya(プロフ) - ユンギがぁ〜男前過ぎて、心臓が痛いです！！ (2019年6月25日 21時) (レス) id: 3d660c888b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あがしおん
| 作成日時：2019年6月5日 21時
