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2つの顔 ページ21

「ロロノア・ゾロの味方をするわけじゃないですけど、私にはわかりません。海賊行為は政府が禁止してるわけで、その政府が海賊狩りを敵視するのかなって……」

「けっこう正論言うね?」

言い過ぎたかなと一瞬ドキッとしたが、ジョウは不敵な笑みを浮かべつつ、優しく私の頭を撫でてきた。

「リボンちゃんは知らなくていい裏の世界の話だけどね。正義と悪って紙一重なんだよ」

頭を撫でる手が止まる。

「だから、正義って案外、悪とされてる側の人間とズブズブだったりする」

「ジョウさんは、悪、なの?」

何も知らない純粋な子どもになったつもりで首を傾げてみせた。

そんな私を見て、ジョウは堪らなさそうに顔を歪める。

「正義とか悪とか興味無いよ。おれはただビジネスをやってるだけだから」

やばい人と関わってしまった気がする。

「本当は政府が組織の後ろ盾になってくれれば、そもそも部下も懸賞金をかけられずに済むんだけどね。さすがにそこまで肩入れするのは政府的にマズいらしい」

ジョウの穏やかな目の奥に、鋭い光が宿っていた。

「ただし、組織としてじゃなくてあくまでおれ個人の要望という形なら話は別なんだ」

「つまり、ロロノア・ゾロがジョウさんの部下さんたちを斬ったっていう証拠映像を政府に提示すれば、政府が動いてくれるってことですか?」

「うん。そういうこと」

多分、この人は本気だ。

この人が本気を出せば、政府とグルになってゾロを潰せる。

ゾロは強い。

でも、世界政府の指揮下には海軍はもちろん、サイファーポールや王下七武海も存在する。

そんな強者たちを一斉に敵に回すのは、いくらゾロでも危険すぎる。

なんとかして阻止しなきゃ──それが、今まで優しさを与えてもらってばかりだった私がゾロにしてあげられる唯一の恩返しだと思った。

「ところでジョウさん。今もし手元にあるんだったら、その証拠映像、ちょっと見せてくれません?」

自分でも引くほどの甘い声を出しながら、ジョウの身体に擦り寄った。

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設定タグ:ONEPIECE , ロロノア・ゾロ , ワンピース   
作品ジャンル:恋愛
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miku(プロフ) - 桜さん» 最後まで読んでくださってありがとうございます!最近はなかなか執筆できていないのですが、今でもこうしてコメントをいただけるとまた時間のあるときに書いてみようかなという気になれます😭🫶🏻 (2022年11月14日 17時) (レス) id: 761cc2fde5 (このIDを非表示/違反報告)
- とっても、素敵な作品でした。  これからも頑張ってください! (2022年11月12日 22時) (レス) @page33 id: a028b5c607 (このIDを非表示/違反報告)
miku(プロフ) - 星猫さん» アニメ全然観てないんですよ、、ワンピ以外のジャンプ作品だったら銀魂と鬼滅くらいです (2021年9月8日 13時) (レス) id: fed98eab61 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか? (2021年9月8日 7時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
miku(プロフ) - 星猫さん» 最初のコメントでこんな嬉しいお言葉をいただけるなんて!高評価までありがとうございます!! (2021年9月8日 1時) (レス) id: fed98eab61 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:miku | 作成日時:2021年9月4日 1時

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