50人斬り ページ20
ジョウの口からゾロの名が飛び出した瞬間、顔が強ばったのか自分でもわかった。
幸い、ジョウは私の首に口を押し当てたままで、顔を見られずに済んだ。
もし顔を見られていたら、一瞬でゾロと面識があることを見抜かれていたにちがいない。
「ちょっと余計なこと話しすぎたかもしれないな」
ジョウが私の肌から唇を離し、今度は私がジョウの肌に唇を当てる。
「私はただのデリ嬢ですよ？ お客様のプライベートは守秘義務ですから、普段言えないこと、言っちゃってもいいんです」
「本当に？」
「守秘義務は絶対です」
「……ロロノア・ゾロは厄介な野郎だよ」
息遣いが乱れるジョウの言葉を聞きながら舌を這わせた。
「その、ロロノア・ゾロってどんな人です？」
「海賊狩り。三刀流の剣士だ」
「ってことは、ジョウさんの部下さんたちは海賊でいらっしゃる？」
顔を見られないよう、ジョウの目線が届きにくい場所を舐めていく。
「どうだろう……海賊とマフィアの中間ってやつかな？ 賞金首ではある」
ときどき余裕のない掠れ声が聞こえてくる。
「そしておれは、組織の幹部だよ」
まるで酒に酔ったように、ジョウは正常な判断ができなくなってきているようだった。
今がチャンスと思った私は、ジョウから出てくる次の言葉を待った。
「ロロノア・ゾロは近頃おれたちの組織の縄張りで暴れててなあ……部下は既に50人は斬られて豚箱行きさ」
跡をつけるつもりで肌を吸う。
「けど、おれは世界政府と繋がりがあるんでね。今に痛い目を見ると思うよ」
「えっ、世界政府？」
咄嗟に顔を上げた。
「驚いた？ 実はそうなんだよ」
「ジョウさんはすごい人だなって思うけど、さすがにそれは信じられないです……」
「どうして？」
「だって、世界政府と繋がりのあるような人だったらもっと高級な店の嬢を贔屓にするはずでしょう？」
私はジョウに精一杯のサービスをしてきたつもりだけれど、ここまで気に入ってもらえる理由がわからない。
「やだなあ。おれはちょっと素人くらいの
ジョウが苦笑する。
そういうものなのだろうか。
でも、たしかにジョウの奥さんは素朴な感じの人だった。
そう考えれば、案外嘘じゃないのかもしれない。
「ま、別に信じてもらえなくてもいいけど。昨日ようやくロロノアが部下を斬る証拠映像が撮れたことだし、こっちはいつでも反撃できる状態だから。リボンちゃんは心配しなくても大丈夫」
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miku(プロフ) - 桜さん» 最後まで読んでくださってありがとうございます！最近はなかなか執筆できていないのですが、今でもこうしてコメントをいただけるとまた時間のあるときに書いてみようかなという気になれます😭🫶🏻 (2022年11月14日 17時) (
レス) id: 761cc2fde5 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - とっても、素敵な作品でした。 これからも頑張ってください！ (2022年11月12日 22時) (レス) @page33 id: a028b5c607 (このIDを非表示/違反報告)
miku(プロフ) - 星猫さん» アニメ全然観てないんですよ、、ワンピ以外のジャンプ作品だったら銀魂と鬼滅くらいです (2021年9月8日 13時) (レス) id: fed98eab61 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか？ (2021年9月8日 7時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
miku(プロフ) - 星猫さん» 最初のコメントでこんな嬉しいお言葉をいただけるなんて！高評価までありがとうございます！！ (2021年9月8日 1時) (レス) id: fed98eab61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：miku | 作成日時：2021年9月4日 1時
